ゲーム『ファイナルファンタジーVII リメイク(FF7リメイク・FF7R)』をネタバレなし評価(未プレイの方向け)とネタバレあり感想+考察(プレイ済みの方向け)でレビューしていきます。
・記事作成時のプレイ時間:約40時間(クリア済み)
・管理人はFF7は原作プレイ済み
- 1. 要素別評価(5段階)
- 2. 『ファイナルファンタジーVII リメイク』レビュー「FF7、20年越しの再発見」
- 2.1. ◎ストーリー:現代に通じる、考えさせられるストーリー
- 2.2. ◎キャラ:ブラッシュアップされたキャラクターたち
- 2.3. ◎キャラ・ストーリー:サブキャラの再発見
- 2.4. ◎演出:シンプルに感動する3Dグラ
- 2.5. ◎演出:原作を超えた「ウォールマーケット」
- 2.6. ◎演出:原作の再発見となる演出の数々
- 2.7. ◎演出:クラウドとプレイヤーが重なり合うギミック←重要
- 2.8. △ストーリー・演出:終盤の展開について
- 2.9. ○システム:ただのお使いにならないクエスト
- 2.10. △システム:頻繁に行われるロード対策
- 2.11. △演出:ダンジョンの殺風景さ
- 2.12. △バトル:一見さんお断りなバトル
- 3. 結論
- 4. 要素別評価(5段階)の理由
- 5. ネタバレありで語りたい(ネタバレあり感想)
要素別評価(5段階)
カテゴリ:RPG
総評価:★★★★★(89点)
シナリオ:★★★★☆
キャラクター :★★★★★
システム:★★★★☆
演出 :★★★★★
(音楽 :★★★★☆ 絵・グラフィック :★★★★★ アイデア:★★★★★)
※要素別評価の理由は、ページ下部に記載しています。
『ファイナルファンタジーVII リメイク』レビュー「FF7、20年越しの再発見」
原作発売が1997年。
リメイクの発表が2015年。
長い時間がかかりましたが…
遂に、『ファイナルファンタジーVII リメイク』がプレイ出来ました!
感想としては、待った甲斐のある満足感の高い作品でした。
特に、『FF7』のファンであればある程、満足できる作品だったように思えます。
では、『FF7』の原作をプレイしていない人にはおすすめできないのか?
私は、未プレイの方でも楽しめると思います。
長らく語り継がれる魅力的なキャラクター。
「ミッドガル」という印象的な世界観。
作り込まれた設定と緻密な伏線。
それらを表現するAAAクラスのクオリティの高い映像。
JRPGファンならきっとハマってしまうレベルの高い作品です。
しかし、本作をクリアした自分としては…
ぜひとも原作をプレイしてから本作に挑んでほしいです!
何故かといえば、本作にはこれでもかと言うほど「原作への愛」が詰め込まれているからです。
細かな演出から、大きな部分まで。
原作を知っているからこそ「ニヤリと出来る」。
「そう来るか!」と思わせられる。
『FF7の再発見』とも言えるような、原作への愛が本作最大の魅力だと感じました。
今回のレビューでは上記のような視点を含めつつ『ファイナルファンタジーVII リメイク』を紹介していきます。
◎ストーリー:現代に通じる、考えさせられるストーリー
まずは、ストーリーの雰囲気から紹介します。
本作では、原作『FF7』の序盤にあたるエピソード「ミッドガル編」が描かれています。
あらすじは次のような感じです。
「魔晄」と呼ばれる星のエネルギーを活用し、発展を遂げた都市「ミッドガル」。
ミッドガルを統べるのは、魔晄をコントロールする巨大会社「神羅カンパニー」。
しかし、魔晄は星の生命。
それを使われることで、星は徐々に傷み始めていた。
それに気づいた一部の人々は、反神羅組織「アバランチ」を結成する。
主人公のクラウドは幼馴染のティファに誘われ、アバランチが行うテロ活動に協力していく。
▼クラウド達はミッドガルという鋼鉄の街を舞台に、「神羅」との戦いを繰り広げる
エネルギーの枯渇。
激しすぎる貧富の差。
それらに反対する主人公たちが行う、テロまがいの活動の是非。
題材が1990年代の当時としては斬新だったのですが、現代でも十分に通じる個性を持っています。
題材に個性がある一方で、シナリオにエンタメ的な面白さがあるのも本作の特徴でしょう。
相手が超巨大組織ということで、主人公たちは頻繁にピンチになります。
ピンチが生むドラマティックな展開は、笑いあり涙ありで非常にエンタメ的!
特にPVでも使われている「ウォールマーケット編」は最高でした!
こちらは、記事の後半で紹介します。
テーマの深さと、エンタメな起伏の両立。
歴史に名が残る作品にふさわしい魅力的なシナリオです。
▼ファンタジー風 歌舞伎町なウォールマーケット。シナリオに笑いもあるのが本作の良い所
◎キャラ:ブラッシュアップされたキャラクターたち
ここからは、原作からの違いといった部分も交えながら『FF7リメイク』を紹介していきます。
まず、原作から大きく変わったのはキャラクターの描写だと思います。
キャラの性格や描かれ方が、少しずつ変わっている。
結果、原作より更に魅力的なキャラになっていると感じました。
特に大きく変わったと思ったのは2人。
主人公のクラウドと、アバランチのリーダー・バレットです。
まず、クラウド。
大剣を振り回す金髪ツンツン頭。
様々な作品に出演する言わずとしれた「中二の権化」です。
原作では、何でもこなすかっこよさとクールさ、時々見せるノリの良さが魅力的でした。
今作でもそれは健在です!
かっこいいアクションをして、女性キャラに褒められ、ドヤ顔をする。
相変わらずのノリの良さが面白い!
しかし、今作のクラウドはそれだけじゃない。
それに加えて、「隙の多さ」が見え隠れしています。
なので、非常に共感できるキャラになっていました。
例えば、ヒロインのエアリスにグイグイと迫られるシーン。
普段のクールな彼から一転、女性慣れしていないアワアワとした対応をしてしまいます。
そんな描写が、たまらなく可愛い。
ヒロインを通り越してクラウドに萌えるという意外なシーンが結構ありました!
▼全体的に「いじられ役」の才能を開花していたクラウドさん
もうひとり変わったのは、バレットです。
原作の彼は、結構な向こう見ずで自分勝手。
作中で成長はするのですが、歳の割にかなり未成熟なキャラという印象でした。
(結果、某NHKの人気投票では貫禄の198位。FF7でいえばサブキャラのイリーナやルーファウス。FF8でいえばコヨコヨ以下という不人気ぶり…逆にすごい)
ですが、今作のバレットはかなり描写が変わっています。
元々、バレットが持っていた「人間味」という魅力。
それに組織のリーダーらしさが足されて、良い意味で「親分」という感じになりました!
▼クラウドとバレットの友情が育まれる過程も見どころです
向こう見ずだけど、自分を慕う人は決して見捨てない。
辛いときでも諦めない。前を向き続ける。
良くも悪くも素直な姿勢。
(歳を除けば)正統派主人公で、まさにリーダーなキャラです。
暗くなりがちなシナリオの中で、随所でギャグを挟んできて雰囲気を明るくしてくれる。
クラウドを段々と、仲間として認めていく姿もグッと来る。
本作のパーティーに欠かせない、魅力的なキャラだと思いました。
野郎ばかりの紹介ではあれなので、ヒロイン勢も簡単に。
エアリスとティファ。
二人共、より可愛くなっています!
エアリスのたくましさと不思議さのギャップ。
ティファの繊細な優しさと芯の強さ。
どちらも描写がレベルアップしていて、凄く惹かれました。
ちなみに、私はエアリス派です。
▼エアリスはモーションがついて可愛さが10倍増しています
◎キャラ・ストーリー:サブキャラの再発見
本作で凄いと思ったのは、サブキャラたちの掘り下げです。
大きいところでは、アバランチのメンバー達。
彼らのためにシナリオが大分書き足されていて、原作よりも好きなキャラとなりました。
特にジェシーが凄く良い!
イタズラな感じ+姉さん肌でぐいぐいと攻めて来ます。
最初のステージでクラウドに助けられるシーンでのセリフ。
「助けてもらおうと思って、わざと転んでみたの」
これは可愛い!
ティファとエアリスにはない強かさを持った、魅力のあるキャラです。
結果、サブキャラながらにヒロイン2人に肉薄するほどのヒロインっぷりを見せてきます。
それ以外にも、原作で印象に残ったサブ…というか「ちょい役」だったキャラたちが活躍します。
例えば、「神羅課長」。
彼は、原作では旅の先々に現れ、神羅の懲罰人事の被害にあうという悲哀を背負ったちょい役キャラ。
本作では、彼にボイスがあてがわれメインシナリオでも少し出番がある。
こういった、原作ファンには嬉しいサービスが魅力的でした。
◎演出:シンプルに感動する3Dグラ
ここからは演出面に移ります。
まずは、なんと言っても映像でしょう。
1枚絵だった色々な舞台やシーンが3Dで再現される。
この感動は半端じゃない!
PVでOPのリメイクに感動された方も多いと思います。
その感動を、今作の至るところで味わえること間違いなしです。
個人的に感動したのはエアリスの家。
ミッドガルの中で唯一自然に溢れている、エアリスらしさのある風景。
原作でも異世界な感じが現れていた印象的な場所です。
そして、本作でもとても記憶に残る場所となりました。
是非、プレイしてたどり着いて欲しいと思います!
▼エアリスと出会う教会も3Dに。神々しさとたくましさが増しています
それ以外にも、原作には印象的なシーンが沢山ありました。
そのどれもがブラッシュアップされている。
更には…原作を超えてくるシーンも有りました。
◎演出:原作を超えた「ウォールマーケット」
全編通して、足されたセリフや描写はどれもクオリティが高い。
その中でも『FF7リメイク』が確実に原作を超えたといえるシーン。
それがウォールマーケット編です。
ウォールマーケットという闇の深い繁華街を舞台としたエピソード。
原作でもクラウドの〇〇イベントがある印象的な内容。
このエピソードに、凄まじく磨きがかかっています!
特に、蜜蜂の館というキャバレーめいた場所での描写は必見です。
普段クールなクラウドが、何故かキャバレーで大活躍をする。
そして、それを見ていたエアリスが大喜びする。
何故ここに気合を入れすぎてしまったのかと、見ている自分も笑ってしまった名シーンです。
▼テンションの高いエアリス。大体クラウドのせい
◎演出:原作の再発見となる演出の数々
原作を越える描写もありますが、一方で、原作を活かした演出も見どころです。
本作のセリフには、原作を知っているからこそ納得するセリフが散りばめられています。
上手いことダブルミーニングとなるようにセリフが計算されている。
先の伏線が上手く散らされていて、なるほどと思わせられる。
初見の人はやられた!と思うでしょう。
先のシナリオを知っている人は、ニヤリと出来る。
上手いシナリオと演出だと思いました。
ですが、本作はそれだけではありません。
原作を知っているからこそ、かえって「あれ?」となるセリフも散らされています。
◎演出:クラウドとプレイヤーが重なり合うギミック←重要
個人的に今作の肝だと感じた点を紹介します。
長い時間を超えて遂に実現したリメイク。
プレイヤーとクラウド達の20年ぶりの「再会」。
それを彩るように、本作には作中の随所に仕掛けがあります。
原作を知っているからこそ、色々と勘ぐりたくなるようなセリフが散りばめられている。
このセリフ、どういう意味だろう?
この場面、原作と少し違くない?
本作では、原作と異なる意味深なセリフや描写がクラウドに疑問を与えていく。
それと同じように、プレイする私達にも感動や興味、疑問を与える。
私達の抱くメタ的な感情と、作中の描写がシンクロするような構造になっているんです。
これには正直、なるほどと唸ってしまいました。
今の時代に『FF7』をリメイクする意味。
それがこの仕掛けにつまっているように感じました。
詳しくは、是非プレイして感じて欲しい部分です。
△ストーリー・演出:終盤の展開について
ここまで、ほぼ褒めてきましたが、1つだけ本作には大きな問題があります。
それは終盤の展開です。
この問題が本作の価値を大きく下げる…わけではありません。
しかし、ここが決まっていれば物凄い傑作になったと思うと惜しい。
端的に言えば、風呂敷のたたみ方に問題がある。納得感がない。
そんな印象です。
詳細はネタバレあり感想の方に記載します。
○システム:ただのお使いにならないクエスト
ここからは細かな点に移ります。
まずはクエスト。
本作では「なんでも屋」クラウドが様々な街の悩み解決をクエストとして行います。
一つ一つは、敵を倒してこいだの、アイテムもってこいだの…
いわゆる「お使い」です。
キャラの心情を掘り下げるといった繋がり方もあまり見えず、若干水増し感がある。
ただ、工夫もあります。
クエストを行うことでメインシナリオの一部の演出に変化が生まれる。
「お使いのご褒美」がちゃんと用意されていることで、クエストの意義が生まれています。
クエストを解決すると、街のNPCがクラウドへ接する時の雰囲気も変わるといった細かい演出もある。
ただのお使いじゃなくする工夫に、好感を持ちました。
▼クエストで出てくるキリエちゃん。可愛いが、ユフィとキャラかぶり感
△システム:頻繁に行われるロード対策
今作の映像は凄い!
しかし、ロードも凄い…。
ロードの時間を稼ぐ目的で、至る場面で歩きやハシゴ上りが強制されます。
これが割とストレス。
疾走感あるシーンでもダラダラと動くことになり、疾走感が死にます。
△演出:ダンジョンの殺風景さ
ミッドガルは鋼鉄の街です。
そんな街の中でダンジョンを作るのは至難の業。
結果として、ダンジョンは下水道やら暗い街道など…。
全体的に灰色な雰囲気のものばかりになっています。
RPGであればやはり、草原や雪山や火山などに行きたいもの。
そういった自然あふれるダンジョンは今作では味わえません。
次回作に持ち越しです。
▼全体的に、ダンジョンの色が黒い
△バトル:一見さんお断りなバトル
『FF7リメイク』のバトルは、原作から大きく変わりました。
コマンドのみだったバトルにアクション要素が融和した新たなバトルです。
印象としては、玄人向けだと感じました。
確かに、動的で眠くなるバトルではありません。
キャラごとに特徴もあって、バリエーション豊かです。
しかし、上手くやろうとすると難しい!
個人的な結論ですが、シナリオにのめり込みたい方はイージーモード安定だと思います。
理由の1つ目。
弱点をつかないと、倒すのに物凄い時間のかかる敵が多い。
本作のバトルは相手の弱点を「みやぶる」コマンドで知り、それを突いていくのが基本です。
ただ、逆に言うとボスには弱点をつかないと全く歯が立たないケースがしばしば。
例えば、「ヘルハウス」という敵。
こいつは弱点をつかないと、ほぼ永続的に無敵状態になります。
なので、弱点の魔法を持っておらず、ゴリ押しすると余裕で30分オーバーの長期戦に突入します。
大人しくやりなおしましょう。
▼ちなみに私は30分かかりました。ただの家じゃないんだよなぁ…
理由の2つ目。
敵のスーパーアーマーが鬱陶しく、ヘイト管理の方法が独特。
雑魚敵ですらスーパーアーマー持ちで、ひるまずに攻撃してきます。
一方でこちらは敵の攻撃にすぐ怯み、技が中断される。
かなりストレスが貯まります。
ヘイト管理も独特で、今作のヘイトは操作キャラに向くという特徴があります。
なので、上手く管理するなら、頻繁に操作キャラを切り替え続けるというプレイをすることになります。
こんな感じで、バトルがかなり特殊です。
ボスを倒すまでに時間がかかってシナリオの緊迫感が薄れます。
また、道中で油断すると普通に死にます。
回避不能攻撃も撃ってくるので、アクションの腕ではどうにもなりません。
したがって、シナリオを優先したい方はイージーモードが良いと思います。
バトルにのめり込むのは、クリアしてからの2周目をおすすめします。
結論
ここまで紹介してきたように、原作からの大幅なレベルアップを感じました。
特に、ストーリーの描写・キャラクター・映像は素晴らしい。
ここだけでもプレイする価値があります。
しかし、本作の真価はやはり原作愛の部分にあるように思えます。
原作を知ってるからこその描写が沢山つまっているので、そこを味わってこそのゲームでしょう。
ぜひ、原作をプレイしてから本作に望まれることをおすすめします。
非常に満足度が高く、次回作が待ち遠しい!
1~2年位で出てくれることを祈ります。
要素別評価(5段階)の理由
カテゴリ:RPG
総評価:★★★★★(89点)
シナリオ:★★★★☆
レビューの通り。
起伏とある展開と、適度な追加描写が上手い。
ただし、終盤の展開はちょっと駆け足で描写不足。
キャラクター :★★★★★
レビューの通り。
システム:★★★★☆
レビューの通り。
バトルはブラッシュアップが必要。
演出 :★★★★★
(音楽 :★★★★☆ 絵・グラフィック :★★★★★ アイデア:★★★★★)
音楽は情報量が増えたことにより、かえって頭に入りにくかった印象。
映像とアイデアはレビューの通り。
アイデアはやはり、原作を活かすアイデアが素晴らしい。
ネタバレありで語りたい(ネタバレあり感想)
ここからは、肩肘張らずにネタバレありで感想を書き連ねます。
未プレイの方は、バックをお願いします。
※今回は、原作「FF7」のネタバレも含むためご注意ください。
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では、始めます。
エアリスについて
※今回は、原作「FF7」のネタバレも含むためご注意ください。
ようやくクリアしました『FF7リメイク』!
正直今作は、ネタバレ有りじゃないと語れない所が多すぎて、レビューが難しかったです。
今回のネタバレ有り感想は、エアリスの話から始まり、段々と考察めいた話に移っていこうと思います。
さて、本編で感動したのは、やはりレビューでも触れた「クラウドとプレイヤーのシンクロ」の部分です。
エアリスと再会した時のクラウドの涙。
あれには本当に驚きました。
彼女と再会できた感動に、自分とクラウドがシンクロする。
不思議な感慨を味わいました。
後述する、謎が深まっていく感覚もぞわっとする。
20年越しだからこそできる演出で最高でした。
そして、なんと言ってもエアリスが可愛い!
エアリスのシーンはどれも力が入っていて素晴らしかったです。
原作プレイ時は、そこまで思い入れが深いキャラじゃなかったんですが…
今、シナリオ通りにエアリスが死んでしまったら喪失感が半端じゃないと思います。
まず、天真爛漫でグイグイ来る姿勢が良い!
特にウォールマーケット編のエアリスは可愛すぎます。
闘技場でセクハラにも負けずに戦う勇ましさ。
闘技場といえば、ソッチ達の実況のクオリティも驚きました。
本当に闇の闘技場感が出ていると言うか。
刃牙の世界に迷い込んだみたいな感覚のある実況が楽しい!
実況のバリエーションも豊富で、召喚獣やリミット技に応じたコメントがあってやりこみ甲斐がありました。
(ヘルハウスのせいで長期戦になり、色々聞けただけなのですが)
閑話休題。
エアリスの話に戻すと…
ドレスを着た時の可憐さも素晴らしい!
普段の素朴な格好も良いのですが、ドレスアップもやはり最高です。
クラウドが言葉を失うのもわかる。
そりゃあ、花火も打ち上がるというものです。
ゴールドソーサーのデートイベント、「花火に消えた言葉」を意識した演出なのかもしれません。
そして、問題の蜂蜜の館で大喜びするエアリス。
…キャバクラを喜んでくれる女の子って、凄く良いと思います。
クラウドの踊り倒すシーンも面白すぎる。
エアリスとの親睦が深まる良いエピソードでした。
もう一つ印象的だったのが、14章の決戦前夜。
好感度により分岐するシーンです。
私は当然、エアリスとの会話になりました。
これまでと一転して、儚げなエアリス。
これは救わなきゃとなります…!
クラウドとエアリスの掛け合いがエモくて、使命感に駆られる名シーンです。
そして、重要なのはここでのエアリスのセリフ。
「でもね、好きにならないで。もしそうなっても、気のせいだよ」
これ、クラウドの正体=ザックスの記憶投影だと気づいていないか?
そして、自分の未来=死ぬことを知っていないか?
一体、今作の世界観はどうなっているのか。
その疑問が本格的に浮上してくるシーンでもありました。
考察1:本作の世界観について
さて、本作について考察…もとい、想像をしていこうと思います。
おそらく、本作の世界観は次の2つの説が想定されるでしょう。
①ループ説
②並行世界説
私は、2つの折衷な世界観だと想像します。
順に理由を説明していきます。
まず、ループ説。
フィーラーにより繰り返される同じ歴史を、本作で打ち破ったというもの。
これは分かりやすく想像されると思います。
手がかりは大きく3つ。
1つは登場するキャラたちのセリフと描写。
エアリスが見せる自分の未来を知っているような素振り。
特定のキャラが話す、お互いを前から知っているというセリフ。
エアリスと再会した時のクラウドの涙なんかは印象的です。
2つ目は、「運命を越える」という終盤の展開。
ここで挿入されるエアリスの死や原作のED映像は、この世界が原作とつながっていることを示している。
3つ目はヴィジョンというマテリアの存在。
未来を見ていると言うよりは、自分たちの経験した閉じた歴史を垣間見ているようなものと想像します。
本作の世界と原作の世界が並行して存在するという、並行世界説もあるでしょう。
ですが、上記を踏まえると、本作のクラウドたちは原作の歴史を経験していると捉えたほうが良いように思います。
それぞれの描写が、その方が自然だからです。
他人の体験を垣間見ていただけなのに、涙が溢れるというのはやや不自然だと思います。
運命を越えるという描写とも結びつきにくい。
本作のクラウド達は原作の経験をしてきた上で、ループ世界に居るという設定がしっくり来ると感じます。
▼「再会の黄色い花」を手がかりに記憶を手にした様子。そこら辺のからみも気になります
では、並行する世界は存在しないのか。
並行世界はあると思います。
それが垣間見えるのが、ラストのザックス関係の描写。
これ見よがしに映る忠犬スタンプのイラスト。
これが本編とは明らかに異なる犬になっています。
このことから、クラウド達が活躍した今作の世界と、ザックス生存の世界は異なる世界だと想像できます。
上記を結びつけると、以下のような流れでしょうか。
①世界1:原作→世界終わりそう→ループ発動→本作
②本作でフィーラーを倒したので、色々な並行世界の可能性が解禁
③世界2:ザックス生存ルート誕生
終盤でクラウドとセフィロスが語らった世界の先端とは、おそらく世界1で星が消滅する直前なのでしょう。
そこでセフィロスが話していた「終末の7秒前」。
ループを打ち破ったことで、これを回避する可能性が生まれたというのが本作のシナリオなのだと思います。
「終末の7秒前」。
今後、これをどのように回避するかに期待です。
他の並行世界から影響を受けるのか。
本作では一人称が「私」から「俺」に戻った、マトモそうなセフィロスが活躍するのか。
DCで思わせぶりだったジェネシスが活躍するのか。
いずれにしても、熱い展開になることを祈ります。
▼CCとDCに登場したジェネシスさん。何処までコンピレーションをプレイすべきなのか、アナウンスが欲しい
考察2:今後の展開について
考察というよりは単なる妄想ですが。
やはり重要なのは、エアリスの生死でしょう。
今作では執拗に、運命を越えることがラストで描写されました。
なので、今後の展開は原作とは全く離れたものになると推測します。
その伏線として、ウータイ、元祖アバランチ、ミッドガルの地下施設。
コンピレーションで提示された設定が今作では用いられています。
EDではリーフハウスの机にジェシーの手袋が置かれていました。
このことから生きているであろうジェシー達の描写も伏線でしょう。
運命を強制してくるフィーラーもすでに倒しました。
であれば、エアリス生存ルートの可能性は大分高くなったのではないでしょうか。
終末を回避する鍵として、エアリスの生存が必要というシナリオはありうる気がします。
それと、メタ的に言えば当時は驚かれたエアリスの死も、今やったら二番煎じですし。
一方で、個人的に死亡フラグがヤバそうだと思うのがバレットさんです。
■死亡フラグ例
・マリンとの別れが丁寧に描かれている
・運命の壁を超える際に一人だけ長セリフ。しかも、過酷な運命を思わせるもの
・EDでも一人だけ長セリフで、マリンとの別れを想像させる
・遺志を継げるアバランチのメンバーが生存している
・好感度があがるような丁寧なキャラ付け
▼かっこよくなりすぎなバレットさん。これは198位じゃない
極めつけが、セフィロスに刺されるシーンでしょう。
なんの意味もなく、セフィロスに刺されてフィーラーに癒やされる。
このシーンの意味を考えてみます。
セフィロスの刺突は、原作的にキャラが辿る死の運命の暗喩。
フィーラーに癒やされることは、原作通りの運命なら死なないことの暗喩。
このように捉えると、フィーラー管理の運命から出た今作の世界では、バレットが死ぬ。
そんな暗喩のように思えてなりません。
やたらと好感度が高くなるように描き直されていますし…。
死ぬのがバレットであっても、正直、喪失感はすごそう。
全員生存のハッピーエンドを望んでしまいます。
▼必然性がない描写だからこそ、フラグとしか思えないこのシーン
終盤の展開について
最後に終盤の感想です。
個人的にはやや残念でした。
運命を越えるという発想自体は良い。
ただ、今作のクラウド達にはそれを行う必然性がなかったと思います。
エアリスの死や星の消滅などの背景を知っているのはプレイヤーだけ。
クラウドたちは、展開に流されて壁を超えざるを得なかっただけのように感じます。
選択したと言うよりは流されたというもの。
プレイヤーからすれば、原作のエピソードを捨てるのですから、それ相応の理由や覚悟を見せてほしかった。
そんな選択と葛藤がシナリオに籠もっていれば凄い作品になったかなと思います。
そこを除けば、非常に傑作だったというのが今作の感想です。
今後にも期待したい。
ただ、今作で風呂敷が上手くたためていないし、最近の『FF15』や『KH3』の終盤とかを見ていると…。
ちょっと心配という思いもあります。
とりあえず、エアリス生存ルートは実現して欲しい!
そして、ユフィを可愛く描いて欲しい!
それだけで、他が微妙でも満足できてしまう自信があります。
とにもかくにも、今度はあまり時間をあけずに続編を出して欲しいところです。
印象的なシーンをいくつか
ここからは、徒然に印象的だったシーンや演出を振り返ります。
①バレットの演説シーン
原作では人気がいまいちだったバレットさん。
このシーンで、今作のバレットは一味違うんだと思いました。
コミカルなギャグから素直にかっこいいシーンまで。
素晴らしい活躍だったと思います。
②クラウドの小ネタ関係
全体的に今作のクラウドはいじられキャラと化していました。
本人もボケっぽいコメントが多くてとても面白い。
特にこのシーンの普通の青年感がとても可愛くて共感を覚えました!
その直後にセフィロスに寝起きドッキリを仕掛けられるという、シリアスな笑いも面白かったです。
③キャラの母親関係
今作はグラのバリエーションが凝っていました。
ちょい役のジェシーやクラウドの母親、エルミナの若い頃もちゃんと作っている。
普通ならごまかしそうな所を作り込んでいるあたりに、こだわりを感じました。
④エアリス以外の未来が見える人達
本編では、エアリスが未来を知っている描写が多い。
ただ、もう一つポイントなのは、エアリス以外の一般人も未来が見えてる描写があるという点です。
『シュタインズ・ゲート』で、ループ前の記憶の残滓が残っている人が居たように、
本作でも同じような現象が起きているのかと想像します。
⑤「神羅の最新技術」による映像のクオリティ
この映像のクオリティは半端じゃなかったです!
これは、コスモキャニオンのプラネタリウムイベントにも期待が光る!
そして、上の感想でも触れましたが、本作のセフィロスはどうやら英雄自体のような理性を持っている節があります。
もしかすれば、画像のように肩を並べて戦うストーリーもあるかもしれません。
某『DQ4』みたいな感じではなく、納得できる描写で味方サイドに来てくれると燃える展開になる気がします。
今後のストーリーに期待です。
以上、ご覧いただきありがとうございました。