『ファイアーエムブレム 風花雪月』をネタバレなし評価(未プレイの方向け)とネタバレあり感想(既プレイの方向け)でレビューします。
※ネタバレあり感想はページ最下部に記載。
・記事作成時のプレイ時間:80時間、2ルートクリア済み
・管理人はFEシリーズ全作品のうち、約5割をプレイ済み
・公式PVで明かされているレベルでのネタバレは含む
おすすめ度:★★★★☆(83点)
一言感想 :学園生活から戦場へ。キャラへの愛着が生むドラマティックな展開は、『FE』シリーズを新たなステージに引き上げた。
評価(5段階・要素別)
カテゴリ:シミュレーションRPG
総評価:★★★★☆(83点)
シナリオ:★★★★☆
キャラクター :★★★★★
システム:★★★★☆
演出 :★★★★☆
(音楽 :★★★★☆ 絵・グラフィック :★★★★☆ アイデア:★★★☆☆)
※要素別評価の理由は、ページ下部に記載しています。
「1分で読める」レビュー要約
■キャラクターへの愛着という観点から見る今作の魅力
・大幅進化した支援会話によりキャラ愛が深まる。
・丁寧に作り込まれたステージ間の会話がキャラとシナリオを掘り下げる。
・シリーズ初のフルボイスによりシナリオへの没入感は大幅向上。
・愛着の湧いたキャラたちと、国を賭けて戦う「第2部」。ドラマ性が大きく向上。
【その他、良かった点】
◎1ルートでプレイ時間35時間というボリュームの多さ。
◎バランスが見直された戦闘の戦略性。
◎シナリオは起承転結のメリハリが弱め。しかし、キャラへの感情移入や演出とあわさり印象的なものに昇華。
【その他、気になった点】
△指導パートが単調で飽きやすい
『ファイアーエムブレム 風花雪月』レビュー 「なぜ、このゲームのキャラを好きになるのか」
前作、『Echoes』から2年。
据え置きでは『暁の女神』から12年ぶりの『FE(ファイアーエムブレム)』シリーズの完全新作が遂に発売されました。
もともと、『FE』シリーズは中世ファンタジーな世界観での国同士の戦争を描いた戦記物のシミュレーションRPG。
そのため、主人公は国の王子など、貴族的な立場にあるケースが大半でした。
それが今作では趣を変えています。
なんと、今回の主人公は士官学校の教師。
生徒たちを育て導いていく立場となる、シリーズ初の学園モノとなりました。
学園モノはJRPGの定番設定。『閃の軌跡』シリーズや『ペルソナ』シリーズ等、数々の名作が生まれています。
これは、JRPG好きとしては期待が高まります。
■物語の舞台となる「ガルグ=マク大修道院」
貴族から教師へ。
そんな劇的な変化のあった今作『ファイアーエムブレム 風花雪月』。
プレイをした感想としては・・・
教官設定は大正解です。
キャラへの愛着が湧き、『ファイアーエムブレム』というシリーズをより魅力的にしています。
前述したようなJRPG好きには特におすすめしたい作品です。
では、この感想に至った理由を順にご説明していきます。
まず、今作のウリは以下の点でしょう。
・「教官と生徒」として学園生活を過ごすことで、キャラへの愛が深まっていく
・PVで明かされている通り、今作は「3ルートの選択制」かつ、「2部構成」
・第2部は戦乱の世が舞台。かつての生徒たちと戦うことになるという、ドラマティックな展開
このような作品のウリは、今までのシリーズ作品から大幅に進化した
”今作ならではの魅力”
により、十分に成功していると感じました。
続いて、その魅力を7点に分けてご紹介します。
◎魅力①:個性豊かでバラエティに富んだキャラの魅力
まず、今作のキャラクターは非常に個性豊かだと感じました。
例えば、「金鹿の学級」のキャラクターたちの属性。左から・・・
・策士
・貴族
・小悪魔
・力持ち
・飛び級の天才
見ての通り、大変バラエティに富んでいます。
このようなキャラクターたちが、後述するメインシナリオや支援会話でそれぞれの個性を活かした会話を繰り広げる。
会話だけでも、とても楽しい学園生活です。
そして、彼らの持っている個性は上記だけではありません。
会話をすすめていく中で、彼らが心に秘めている本当の姿もだんだんと見えてきます。
生徒たちと共に過ごし、距離がちかづいて初めて、秘められた真意が理解できてくる。
教師生活の面白さと奥深さが追体験できるようなキャラクターデザインだと思います。
【2019年9月追記】
『FEシリーズ』と人気ゲームブランド「アトラス」のコラボ作品。
WiiU専用ソフト『幻影異聞録#FE』のスイッチへの移植が発表されました。
正直、FEシリーズ要素は薄めなこの作品。
しかし、キャラの魅力は『風花雪月』を追い越すほどのクオリティを持った名作です。
紹介記事を作っているので、興味がある方はぜひ、あわせてご覧ください。
◎魅力②:大幅進化した支援会話によりキャラ愛が深まる
FEシリーズではおなじみの支援会話※。
※キャラ同士の好感度を上げると見れる、操作キャラ同士の会話パート
今作は、この「支援会話」が大幅に進化したと感じました。
進化したのは3点です。
・1支援あたりのシーン数の増加
・会話の舞台がきちんと設定されている
・キャラの設定が会話に活かされており、キャラの掘り下げと関係性の構築が進む
まず、シーン数の増加について。
従来の作品における支援会話は、だいたい1シーンで終わっていたと思います。
部屋で特定の話題について会話して終わり、といったパターンが大半。
しかし、今作では多くの支援が2シーン~3シーン程度で構成されています。
例えば・・・
①部屋で武術について会話
②実際に訓練場で武術の実践を行う
⇨今までであれば、①で終わっていたところが②まで見ることが出来ます。
このようにシーン数が増えたことにより、支援会話の楽しさがアップしました。
結果として、キャラのことをより理解することができ、どんどん愛着がわきます。
続いて、舞台について。
これまでの支援会話は、だいたい、1枚絵をバックに会話を行うだけでした。
しかし、今作の舞台は士官学校。そして、学校は3Dマップとしてきちんと作り込まれています。
実際に歩くことも可能です。
■歩くことの出来る3Dマップの例
今作の支援会話は、このマップのいろいろな場所で行われます。
つまり、1枚絵だけで表現されていた会話の舞台が、3Dマップで表現されるようになったのです。
これにより、支援会話への没入感も大幅アップしました。
最後に、支援会話の中身について。
今作の支援会話は、これまでよりもキャラ同士の関係性や、キャラの性格の掘り下げが大事にされているように感じます。
例えば、ドロテアというキャラ。
彼女は歌姫であったものの、その肩書にとらわれずに自分を見てくれる「運命の人」を探し求めています。
支援会話では、そういった彼女の個性と、他のキャラの価値観がぶつかりあう。
やがて、会話のテーマは「運命の人を探すという行為の是非」などにすすんでいき、どんどん彼女のキャラが掘り下げられていきます。
このように、今作の支援はキャラの設定を活かしつつ、更にそれを掘り下げていく質の高い支援会話になっていると感じました。
■黒鷲の学級所属の生徒ドロテア
◎魅力③:新システム「散策」について
今作では、戦闘ステージの合間に、学校内を歩き回れる「散策」というシステムがあります。
散策では、学内のキャラと会話ができ、彼らの近況や直近の戦闘への感想などを聞くことが出来ます。
これにより、シナリオの補強やキャラの掘り下げがされており、作品の味わい深さが増しています。
■新システム:散策
この散策における会話は非常に作り込まれていました。
まず、第1部。
今作は、3つの学級のうち、1つの学級を選択し、担任となります。
メインシナリオではこの担当した学級の生徒たちと主に会話することになります。
しかし、第1部の散策では、そのような自分の学級以外のすべての生徒たちと会話することが出来ます。
つまり、会話できるキャラの数が非常に豊富です。
にもかかわらず、ステージをクリアするごとに全てのキャラのセリフが一新されます。
したがって、非常にテキスト量が多いと感じました。
そして、第2部。
第2部からは、「散策」での会話対象も自分が担任する学級に所属する生徒に限定されていきます。
しかし、今作には他の学級に所属するキャラを自身の学級に引き込む「スカウト」機能があります。
■スカウトの例
普通にゲームを進めていれば、自分の学級に所属するはずがない生徒たちを仲間にできるこの機能。
では、スカウトを行ったキャラの会話は第2部ではどうなるのか・・・
普通のゲームなら操作はできるけど会話はできない、となりがちです。
テキストを読むプレイヤーが限られるため、格好の「手の抜きどころ」だからです。
ところが今作では、きちんと会話することが出来ます。
しかも、会話の内容もストーリーに沿ったものとなっている。
このように「散策」パートの作り込みはとても丁寧。
プレイを進めるうちに、「生徒たちと一緒に学園生活を過ごしている感」が高まっていきます。
◎魅力④:メインシナリオで主人公勢以外のキャラがきちんと会話に参加してくる。
シリーズをプレイした方ならご存知でしょう。
FEのキャラは、戦闘で死んでしまうと二度と使うことは出来ない。
本当に死んでしまうのです。
■過去作品における操作キャラの死亡例
その弊害として、このシリーズのメインシナリオはおおむね狭い世界で展開されてきました。
つまり、死んでしまう可能性のあるキャラはメインシナリオに入ってこないのです。
結果、これまでは「主人公+軍師+他国の王様+敵の四天王的な人たち」くらいの少ないキャラの中でシナリオが進んでいきました。
操作キャラなのにメインシナリオには絡んでこないケースが多発していたのです。
しかし、今作は違います。
メインシナリオの会話にどんどん生徒たち=操作キャラが絡んできます。
それが出来るのは、以下の点によります。
・学級を分けることにより、キャラの序列づけをおこなっている
・第1部における戦闘での死亡は撤退扱いにする
上記の工夫により、自身の学級に所属する生徒たちがメインシナリオに入ってくる。
結果として、学級の生徒たちへの愛着がどんどん深まっていくわけです。
■生徒たちとの会話シーン。所属生徒みんなと会話できていることが分かる
◎魅力⑤:豪華声優陣によるフルボイスの会話シーン
ここまで、キャラの会話をベースに今作の魅力を紹介してきました。
そして、この魅力が更に底上げされるのがこの要素です。
なんと、今作の会話シーンは全てフルボイスとなっています。
これまではのシリーズの会話は文字だけ、声がついてもパートボイスでした。
それが、今作ではフルボイス。
メインシナリオ・支援会話・散策会話など・・・全てがフルボイスで展開されます。
キャスト陣も有名な方が多く、また、キャラに合ったキャスティングとなっており、聴き応えがありました。
◎魅力⑥:キャラへの愛着によりうまれる「第2部」のドラマ性
ここまで記載したように、今作にはキャラへの愛が深まる要素がつまっています。
それを逆手に取ってくるのが「第2部」の存在です。
PVで明かされている通り、「第2部」では三国がにらみ合う戦乱の世に突入します。
従来の『FE』シリーズファンなら見知った光景でしょう。
しかし、従来と異なるのは、敵対する相手のことを自分がよく知っているという点。
すなわち、敵は士官学校で同じ時を過ごした生徒たちなのです。
■第2部では、三国が三つ巴の戦いを繰り広げる
これが、今までにないドラマ性を生む。
従来の敵ユニットは、淡々とたおされ、散り際に一言つぶやいて消えていくだけの存在でした。
そこに、感慨など持つはずがありません。
しかし、今作の敵ユニットには見知った顔がたくさん含まれている。正直、かなり、心にグサグサ刺さります。
ゲームを進める中で、早く平和な世の中を作りたいと強く思うようになりました。
これまでのシリーズを踏まえて言えば、『IF』においてやりたかった「選択」と「ドラマ」がしっかりと表現された1作になっていると思います。
◎魅力⑦:アニメーションを駆使した決めシーンの演出
演出周りについて紹介します。
今回、久しぶりに据え置きでの発売となったことにより、容量が増えたのでしょう。
今作では、山場となるシーンではアニメーションが挿入されます。
これにより、これまでよりも記憶に残るシーンが増えたように感じます。
先程のキャラへの愛着から生まれるドラマ性と合わさって、プレイしたあとの充実感向上に大きくつながる要素だと思います。
■CMより。緊張感のあるシーンがアニメーションで展開される。
その他、良かった点と気になった点(ゲーム性など)
ここまで、今作のウリに関する部分を中心にレビューしてきました。
ここからは、ゲーム性やシステム周りなど、その他の要素を紹介します。
◎圧倒的ボリューム感
1ルート目をクリアした際のクリア時間。
35時間でした。
確かに、ボイスをきちんと聞いたり、散策をきちんとしたりと、比較的ゆっくり気味にプレイはしています。
しかし、1ルートでこのプレイ時間は中々のボリュームです。
3ルートクリアするのはいつになるのか・・・
今作が3ルート選択性と明かされたときにはボリュームが心配でしたが、いらぬ心配だったというのが率直な感想です。
◎シナリオだけでは及第点。キャラと演出と合わさることで良作に。
※2ルートクリアしたため一部改稿。
今作のシナリオは中々良いと思います。
まず、起承転結はしっかりとしていました。
ただ、その掘り下げはやや物足りなかったです。
幸福から絶望、絶望から幸福への移り変わりの幅が小さめなのが原因だと感じました。
一方で、世界観の作り込みは力が入っていると思います。
1ルートだけでは設定の全体が明らかにならない。
おそらく、3ルート全てをプレイすることでようやく全てが把握できる。にもかかわらず、ルートを進めていて物足りないとは感じない、伏線や設定の多さは凄いと思いました。
また、前述したとおり、敵キャラの一部がかつての級友となるのはやはり燃えます。
青春時代を共に過ごし、愛着の湧いたキャラばかり。
1ルートをクリアしたあとであれば、かつて第2部で共に戦った仲間が敵に回る訳です。
また、敵キャラとしての彼らにもシナリオの中できちんと見せ場が設けられている点も良い。
これらの要素により、戦いがよりドラマティックに、かつ印象に残るものとなっています。
総じて、シナリオだけで見ると及第点くらいの出来。
しかし、演出やキャラの魅力と組み合わさることで、印象に残る良いクオリティになっていたと思います。
△システム周りについて
今作は、クラスチェンジが技能レベルと連動しています。
そして、その技能レベルを速やかに上げるには、戦闘ステージの合間で生徒一人ひとりに指導を行っていく必要があります。
■指導シーン
この指導ですが、確かに先生をやっている感はある程度感じれます。
しかし、基本的にやることは同じことの繰り返しです。
(食事や支援で生徒のやる気を上げる⇨やる気を消費して個別指導、以下繰り返し)
正直、機械的で飽きが来る要素の一つになっていると思いました。
ただし、効果は落ちるものの、上記の流れを「おまかせ」で行うことは可能です。
◎バランス見直し等により共闘感の増した戦闘システム
戦闘については、過去作品からバランスが見直されています。
既プレイヤー向けに、ざっくり箇条書きで紹介していきます。
・相変わらず弓は強い
・回避型はレベル差がかなり無いと避けきれない
⇨守備・魔防の重要性が大分向上。
・魔法キャラは基本的に超紙耐久
・救出コマンドの廃止によりリカバリーが難しい
・アーチのようなマップ兵器の射程が長く、威力も高い
⇨1手のミスが致命的なる場面が増えた。結果、天刻の拍動(巻き戻し)がかなり効いてくる印象。
・敵の力は高めで、一人でまともに複数人の攻撃を受けると死ぬ
・スキルを上手く組み合わせれば、特定の武器種に対しては回避可能
⇨キャラに得意分野を構築し、適材適所でぶつけていく戦略性が生まれた。
・平原のようなマップが多く、マップギミックも乏しいことから、マップの面白さはあまり感じなかった。
・バリアを壊す必要がある魔獣ユニットが登場。バリアを壊すには回数制限のある計略コマンドを行う必要。
⇨一人のキャラで無双は難しく、複数キャラを使う必然性が生まれた。
・スキルは『覚醒』のような壊れたバランスのものはない印象。あくまで、特定の武器種への得意分野を作るにとどまる。ただし、敵ユニットは壊れ特性を持っているため要注意。
全体を通して言えるのは、複数キャラを使っていく必要性が向上したということです。
これは、キャラ愛をウリとしている今作と上手くマッチしており評価できる点です。
純粋に戦略シミュレーションとしての面白さだけでみると・・・
マップ兵器の射程や敵ユニットのスキルなどに気を配りながら戦略を組む必要があり、そこそこやりがいがあったように個人的には感じました。
■今作の新システム:計略
結び
メインの部分で紹介してきたように、今作は「キャラへの愛着」と「ドラマ性」という点でこれまでのシリーズから大きな進化を遂げたと感じました。
その他の部分でも、欠点らしい欠点は特にないと思います。
あえて言えば、機械的になりがちな指導パートの存在くらいでしょう。
全体的に完成度を高めつつ、これまでにない長所を獲得した今作。
従来のシリーズファンはもちろん、公式サイトなどでPVやキャラクターを見てピンときた方や、JRPG好きの方が『FE』シリーズに触れるはじめの1作としておすすめしたい作品となりました。
評価の理由(5段階・要素別)
カテゴリ:シミュレーションRPG
総評価:★★★★☆(83点)
シナリオ:★★★★☆
本記事の通り。
3ルートクリアした後、改めて評価予定。
キャラクター :★★★★★
本記事の通り。
システム:★★★★☆
本記事の通り。
散策や戦闘など、良いシステムが多い一方で、クエストのお使い感や指導の機械的な感じは改善の余地あり。
演出 :★★★★☆
(音楽 :★★★★☆ 絵・グラフィック :★★★★☆ アイデア:★★★☆☆)
音楽は従来どおりクオリティが高い。
特に、主題歌のアレンジBGMは戦闘シーンをドラマティックにもり立てる。
グラフィックはレベルが高いとは言えないが、キャラの多さを考えれば妥当。
絵についてはキャラが多い中、表情のバリエーション、更には第2部はキャラデザ一新と、非常に甚大な労力がかかっている。脱帽。
アイデアはやや物足りない。
山場でアニメーションを使うという発想は良いものの、アニメーションパートのクオリティが所々粗い。
なお、章の冒頭に提示される世界観を説明する1枚絵は、フレーバー要素として素晴らしい。現存する中世ヨーロッパの図画を参考にしたと思われる画風はよく研究されている。
ネタバレありで語りたい(ネタバレあり感想)
ここからは、肩肘張らずにネタバレありで感想を書き連ねます。
未視聴の方は、バックをお願いします。
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では。
■今作の設定について
今作の設定周りは非常に充実していたと感じます。
エーデルガルトとディミトリの因縁やクロードの正体などの級長関係。
主人公、ジュラルト、ソティス、レアの関係性。
更には、未だ全貌が出てこない解放王ネメシスや闇に蠢くもの関係など・・・
4ルートそれぞれに設定が散りばめられていて素直に凄いと思います。
そして、DLCなどで今後どのように未回収の設定が回収されていくのかは気になるところです。
■教会ルートについて
教会ルートの感想としては・・・レア様には申し訳ないですが、エーデルガルトの散り際が最も印象に残りました。
気丈な彼女が、最後の最後に主人公にだけ真意を吐露するというのは・・・
その後のシナリオが消化試合となるくらいに精神的にダメージを貰いました。
それでも、あえて、彼女と敵対するルートが作られているという点に製作者の愛を感じます。
仲良くなった上で、更に信念をぶつけあうシナリオがある。これにより、彼女の気高さと想いの強さがよりクローズアップされたと思います。
ループもののカタルシスを味わうという意味では、未プレイの方にはぜひ、このルートをやってから赤ルートに進んでほしいと思います。
エーデルガルトへの感情移入がより、強まります。
キャラ周りではセテスが良い味を出していました。
5年後に再会したときの嬉しそうな声色は、CVを務める子安さんの演技力が光っていたと思います。
■赤ルート
エーデルガルト可愛い。
そんなルートでした。教会ルートで悲劇を見た後ですから・・・クリアの感動もひとしおです。
支援会話で主人公に甘えてくる感じは、普段の強さからいい具合にギャップが作られていたと思います。
シナリオ面では、級長たちそれぞれに見せ場が与えられていた点が良かった。
クロードはその策士っぷりを最後の瞬間まで見せてくれる。
ディミトリは、臣下との絆や最期まで誇り高い姿を失わなかった。
レア様の非道さなども含めて、それぞれのキャラが立っている良いルートでした。
他のキャラ周りでは、ヒューベルト、フェルディナント、ベルナデッタあたりの支援会話が気に入っています。
ヒューベルトは冷徹でいながら仲間のことは思いやっているさまが描かれており、ギャップ萌えを感じました。
特に、ベルナデッタとの支援会話は二人とも可愛すぎる。
あの外見で可愛い花を刺すヒューベルトとか、ぜひイラストでみたいところです。
フェルディナントは貴族としての誇りを軸に話が展開されていました。
主人公との会話やエーデルガルトとの会話の中で、自分の弱さを認めながらも誇り高さと成長への志を持ち続ける姿はまさに貴族でした。