令和2年夏アニメの1話を見た上で、評価・感想とあわせて各作品の見どころ等を紹介します。
なお、記事は次のように構成しています。
①作品の期待度(1話視聴後の印象で判断)
②作品概要・あらすじ
③見どころ・感想・評価
※ショートアニメ・女性向け・シリーズものは原則、対象外。
※随時更新。
令和2年夏アニメ 期待度まとめ
※2020年7月12日更新
評価:★★★★★(必見・見ないと損)
該当なし
評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)
デカダンス
魔王学園の不適合者
評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)
ド級編隊エグゼロス
彼女、お借りします
評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)
宇崎ちゃんは遊びたい!
Lapis Re:LiGHTs
評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)
該当なし
評価:★★★★★(必見・見ないと損)
今のところ該当なし。
評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)
デカダンス
【作品紹介とあらすじ】
オリジナルアニメ作品。
未知の生命体《ガドル》により、人類は突如として滅亡の危機を迎えた。
それから、長い年月が過ぎ…。
生き残った人々は全高3,000Mの巨大な移動要塞《デカダンス》を建造し、潜むように日々を暮らす。
《デカダンス》に住まう少女・ナツメはいつか《ガドル》と戦うことを夢見ながら、目の前の仕事に埋もれていた。
ナツメはある日、無愛想なデカダンスの装甲修理人・カブラギと出会う。
夢を諦めない前向きな少女と夢を諦めたリアリストの男。
二人の出会いは、やがてこの世界を大きく揺るがす未来へとつながっていく。
【視聴後の感想と評価】
1話は新人装甲修理人・ナツメの目を通してデカダンスの世界観が描かれました。
閉ざされた世界で巨大な敵に挑む人類。
スチームパンクな『進撃の巨人』といった世界観は迫力に満ちています。
特筆したいのは、やはり世界観作りの部分です!
背景描写・ネーミング・モンスターのデザインなど…。
すべてが良く練られていてデカダンスの世界にどんどん没入できました。
映像面も気合を感じる出来でした。
特に終盤のガドルとのバトルの描写は秀逸!
重力を操り戦うシーンはカメラを縦横無尽に動かし無重力感を再現しています。
ラストの止めはまさかの巨大ロボによる「腹パン」という遊び心も。
背景もどんどん動かしていて、画面全体にこだわりを感じました。
▼細かい点ですが、ナツメの手を写す所が計算されていて良い
シナリオ面も密度が濃い。
世界観の説明、リンメイとナツメの対立、カブラギの陰ある描写。
描くことだらけですが、テンポ良くエピソードを重ねており見応えありです。
キャラクター面では、ナツメが好印象でした。
一見すれば、厳しい世界をたくましく生きる少女といったよくある設定です。
そこに、楠木ともりさんの可愛い寄りの声と髪の三編みで「女の子らしさ」というアクセントを加えている。
たくましさ+可愛らしさというギャップが良かったと思います。
気になる点としては、やや世界を描きたい気持ちが先行した内容に思えるところが挙げられます。
本作はキャラの生きる世界が現実とかけ離れている。
だからこそ、キャラへの共感を覚えるようなエピソードが入ってくると、上手く視聴者との架け橋になるように思います。
1話はナツメが主人公のような描写でした。
しかし、クレジットを見る限り本作の主人公は2人です。
ナツメとカブラギがどのようにバディになっていくのかに要注目でしょう!
魔王学園の不適合者
【作品紹介とあらすじ】
「小説家になろう」連載の作品。
文庫版は「電撃文庫」から刊行中。
魔王「アノス・ヴォルディゴード」。
神々からも恐れられた彼は、二千年後に転生した。
彼を待っていたのは、平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々。“魔王の生まれ変わり”を集め教育する“魔王学院”は、彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。
不適合者(魔王)による、腑抜けてしまった世界の“再教育”が始まる…!
【視聴後の感想と評価】
Ⅰ話は魔王様が試験とデートとバトルで早速暴れていました。
感想は…シンプルに面白かった!
転生最強というなろう系のテイストに、電撃文庫らしいラノベのテイストを加えたハイブリッドな作品という印象です。
なろう系な部分としては、やはり主人公が最強なところでしょう。
主人公の魔法に制約はなく、とにかく圧倒的に強い万能感がありました。
「魔力が強すぎて測定結晶を壊す」という通過儀礼もしっかしこなし、ザ・なろうです。
一方で電撃文庫らしさもありました。
ひとつは、キャラ造形です。
主人公の魔王様は強いのですが、ギャグがスベリ続けるという弱点が絶妙!
不思議と可愛く思えてきます。
家族を愛しているという意外な人間らしさも見せていて、紋切り型から幅が生まれている印象です。
もうひとつは、物語の軸の部分です。
上記の家族愛もそうなのですが、今作はシナリオに対立軸が盛り込まれています。
血がつながっているのに仲の悪い皇族たち。
血に頼る子孫と実力でのし上がった始祖。
このような対立軸が、今後描かれていくであろうバトルを盛り上げるのは間違いないでしょう。
ヒロインの設定にも上の対立軸はつながっていそうなので、期待できます。
演出面では、作品の随所にハリポタリスペクトを感じる部分が楽しく見れました。
冒頭のBGMは地味に『異種族レビュアーズ』のED並に攻めたパロディ。
そもそも、主人公の名前がヴォル…(禁則事項)。
今後は万能な魔王様をどのように動かしていくのかに注目です!
評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)
ド級編隊エグゼロス
【作品紹介とあらすじ】
『ジャンプスクエア』にて連載中の漫画原作。
謎の侵略者・キセイ蟲によって危機に瀕している地球。
キセイ蟲の狙いは―人々のエロスの源“ Hエネルギー”!
そんなキセイ蟲から地球を救うべく、高校生・炎城烈人は立ち上がった。
彼はヒーロー集団「エグゼロス」の一員として、キセイ蟲との戦いに身を投じていく。
【視聴後の感想と評価】
1話は、ヒロインのキララがヒーローになるまでが描かれました。
一言で言えばきたないニチアサ。
ニチアサ×エロという清々しく元気のある作品でした!。
感想ですが、ヒロインの表情が良い!
エロは表情。
とはよく言ったのものですが、キララの恥じらう感じや照れ顔が丁寧で破壊力高し!
シナリオの中で感情にスポットライトが当たっているため、表情をきちんと描くことで作品の質が高まっていると思います。
続いて、シナリオが安定しているのも注目すべき点でしょう。
エロならヒロインを脱がせとけばいい、という投げやりなものではない。
レットとキララの関係性の変化を軸に描かれており、テンポがよく過不足もない。
敵の出現やエロのタイミングも抜群で、25分がダレていません。
公園という舞台で幼少時代と今の関係性が逆転し、再びキララの心の扉が開くという演出アイデアも効果的だったと思います。
惜しかったのは作画です。
限られたリソースの中で頑張っているという感じが伝わってしまう画面づくりで、動きは省エネ傾向でした。
要所の演出は決まっていただけに惜しい!
今後ですが、ヒロイン勢の可愛さを深堀りできるか、そして、比較的閉じた世界観でどのようにシナリオを転がしていくかが見所でしょう。
彼女、お借りします
【作品紹介とあらすじ】
『週刊少年マガジン』にて連載中の漫画原作。
ダメダメ大学生・木ノ下和也。
初めての彼女と一度だけキスをしたが、たった1ヶ月でフラれてしまった。
やけになった和也は、“ある方法”を使って、女の子とデートをすることに。
待ち合わせ場所に行くと…。
「君が和也君、だよね?」
さらさらの黒髪を耳にかけながら、和也の顔を伺う美少女、水原千鶴は微笑みかけた──。
たった一度のレンタルで、輝き出すリアルがある!
ラブ×ドキMAXの無鉄砲ラブストーリー、開幕!
【視聴後の感想と評価】
1話はレンタル彼女という今風な文化で出会う主人公とヒロインを描いていました。
今作のウリはやはりシチュエーションにあると思いました。
レンタル彼女…闇深な文化に染まっているヒロイン・千鶴とそれを利用する主人公・和也。
ラブコメを新鮮な切り口で描けるシチュエーションだと思います。
1話では千鶴が見せるレンタル彼女という職へのこだわりが面白い。
彼氏(客)の趣味である魚を勉強する。
寂しい人が多いんだよ、とお客さんを肯定する姿勢。
プロ意識という軸がキャラクターのアクセントになっていました。
そのプロ意識があるからこそ、千鶴の「レンタル彼女モード」と素の状態のギャップが生まれている。
素の状態で自分の努力を色々ぶっちゃけてしまう千鶴には好感を持てました。
千鶴役の雨宮さんの演技も、上手くONOFFを切り替えていて流石だなぁの一言。
映像面も安定した出来。
ひとつひとつのカットで伝えたい感情がよく整理されていて、メリハリがついています。
キャラの表情も豊かにコロコロ変わって飽きません。
一方で致命的に残念だったのが主人公・和也に関する描写です。
見ていてイライラする主人公は久しぶりでした。
下半身が先行した行動。
彼女に振られた腹いせで、レンタル彼女に八つ当たり。
自分の家族に彼女としてヒロインを紹介する。
1話から余裕で数え役満に達する所業の数々に辟易します。
共感できない主人公が美味しいシチュにいても楽しくありません。
今後の見所ですが…
ヒロイン勢が増えてきてどのようにシナリオが動いていくのか。
千鶴の背景にはなにがあるのか。
そして、主人公は活躍することができるのかがポイントになるかと思います。
評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)
宇崎ちゃんは遊びたい!
【作品紹介とあらすじ】
『ドラドラドラゴンエイジ』で連載中の漫画原作。
静かなキャンパスライフを満喫する大学3年生・桜井真一。
一人で過ごしたいだけなのに、“ぼっち”扱いしてくる後輩・宇崎花に絡まれ、平穏な生活は一変!
いじられ、けなされ、からかわれ……。
毎日毎日、宇崎ちゃんのウザ絡みに振り回されることに!
騒がしい日常はうんざりだ。
でも、一緒に過ごす時間はなんだか退屈しなくてーー。
「ぼっちより、二人のほうが絶対楽しいッスよ!」
生意気なのに、どこか憎めない“ウザカワ系”後輩との青春ドタバタラブコメ、ついにスタート!
【視聴後の感想と評価】
なにかと場外乱闘で話題になっていた本作ですが、1話は正統派なラブコメ展開。
うざ可愛い宇崎ちゃんと映画館や電気屋へデートする1話でした。
ヒロインの宇崎ちゃんと役を演じる大空直美さんの声が完璧にハマっているのが印象的です。
『ガヴリールドロップアウト』のサターニャや『閃の軌跡』のデュバリィなどで演じたタイプの演技です。
だる絡みしてきそうな声がクセになります!
しかし、気になる点も多い1話だったように思います。
なにより問題なのは、あんまり宇崎ちゃんが可愛くないように感じたところ。
うざ可愛いの「うざ」の部分が普通にうざいのはちょっと…。
映画のチケット奢られたら素直に感謝しましょう。
宇崎ちゃんのエロ方面への整合性も気になります
ある時は自分からエロ系の勘違いネタで主人公を追い込む。
しかし、電気屋ではマッサージに無自覚。
キャラクターの描写に筋が通っていないように感じました。
今後は宇崎ちゃんの高校時代を軸に、上手くキャラを掘り下げられるかがポイントになるように思います。
Lapis Re:LiGHTs
【作品紹介とあらすじ】
世界とキャラを共有するソシャゲ等のメディアミックスプロジェクト作品。
『この世界のアイドルは魔法が使える』
魔女見習いが集う学校、フローラ女学院。
ある日、立派な魔女になることを夢見る少女・ティアラは学院の門を叩く。
「私、 ぜひともこちらの学院で学ばせていただきたく――えっ!?」
そこで出会ったのは幼馴染の少女・ロゼッタ。
流されるままにティアラとロゼッタはユニットを組むことになり…。
個性豊かな仲間たちと紡ぐ、魔法とアイドルの物語が幕を開ける!
【視聴後の感想と評価】
学園に入学したティアラ、早くも退学の危機…という1話でした。
良かった点はBGMや背景作画による学園の描写です。
ハリポタ1巻…とまではいかないものの、ファンタジーな学園生活を豊かに描いていました。
作画では、登場キャラが多い中を頑張って描いているなぁという印象です。
特に中盤でティアラが歌唱するシーンは1話のポイントでもあるため、演出に気合が入っていました。
悪かった点はシナリオです。
これはちょっと中々良くない。
まず、貴重な1話の半分くらいの尺を学校紹介で浪費しているのはもったいない。
見ていて「そうなんだ」としか思えない。
感情に訴えかける描写が乏しく、平坦なシナリオです。
続いて、描写が与える印象と情報をコントロールできていないところも残念。
例えば、冒頭のカップルのイチャつきは「いります?それ?」という感じ。
意味がある描写に思えません。
中盤では、ティアラが会話の途中で立ったままいきなり睡眠を始めます。
履歴書の特技欄に書ける器用さです。
多分、ライターの中では睡眠が好きなキャラなのだと思いますが、前フリが足りなすぎてちょっと怖い。
『リトバス』の主人公のような伏線でもないでしょうし…。
▼唐突な死!(睡眠)
ファンタジーを描く上で重要な「世界の論理」が中途半端なのも気になりました。
例えば、作中では「暁の魔女に感謝を~」という『FFⅩ』でいうエボンのたまものみたいな謎挨拶が何度か描かれていました。
これは挨拶にしてはちょっと長すぎる!
「こんにちは」の10倍、「エボたま」の5倍くらいはありますが…。
ライターの中では伏線なのでしょうが、世界観に溶け込んでるように描けていません。
本作の特色である「魔法」も、いきなり花を蘇生するものから鋼鉄になるアスト○ンまで…。
幅が広すぎてなろう系のイメージ魔法のように見えてしまう。
魔法×アイドルという気になる題材なのですが、シナリオがかなりの不安要素のように感じました。
アイドルモノの華、ライブのクオリティに期待しつつ、注視です。
評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)
今のところ該当なし。