【1話視聴後評価】2020秋アニメおすすめ作品紹介!(感想レビュー付)

【1話視聴後評価】2020秋アニメおすすめ作品紹介!(感想レビュー付)

2020年秋アニメの1話を見た上で、評価・感想とあわせて各作品の見どころ等を紹介します。

なお、記事は次のように構成しています。

①作品の期待度(1話視聴後の印象で判断)

②作品概要・あらすじ

③見どころ・感想・評価

※2018年秋~2020年夏クールの「1話視聴後評価」はこちらの『1話レビュー』からご覧いただけます

※1話時点での総括を大体の作品が出そろった10月中旬ごろに更新予定⇒済

※ショートアニメ・女性向け・シリーズものは原則、対象外

 

2020年秋アニメ 期待度まとめ

※2020年10月18日更新

評価:★★★★★(必見・見ないと損)
該当なし

評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)
神様になった日
呪術廻戦
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
魔女の旅々
無能なナナ
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)
アクダマドライブ
アサルトリリィ
安達としまむら
くまクマ熊ベアー
戦翼のシグルドリーヴァ
体操ザムライ
ひぐらしのなく頃に
魔王城でおやすみ

評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)
いわかける!
おちこぼれフルーツタルト
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦
トニカクカワイイ
100万の命の上に俺は立っている
まえせつ!

評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)
神達に拾われた男
キングスレイド 意志を継ぐものたち

評価:★★★★★(必見・見ないと損)

該当なし

 

評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)

呪術廻戦

2020秋アニメ 感想 評価 (122)

【あらすじ】

辛酸・後悔・恥辱。
人間が生む負の感情は呪いと化し、やがて人間を死へと導く。

驚異的な身体能力を持つ以外はごく普通の少年・虎杖悠仁。
ある日、彼は“呪い”に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指”を喰らう。

呪いと共に生きていくこととなった彼は、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……

呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす―

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公が呪いと初めて遭遇し、戦いを挑む姿が描かれました。

 

週刊少年ジャンプ連載の作品ということもあり、本作で最も注目すべきはバトルパートでしょう。

1話では体術を駆使した打撃がメインでした。
殴打の衝撃と重力感が感じられ、見ごたえのあるものになっていたと思います。

生身でガラスをブチ破る主人公など、アクションの種類も豊富!

飽きが来ないバトルパートでした!

2020秋アニメ 感想 評価 (55)

 

背景を3Dで作りキャラと一緒に動かす今風の手法も使われている。
総じて、画面の質はとても高かったと思います。

 

それ以外では、ホラーチックな演出が見られたのも今作ならでは

怪物が徘徊する学校。仲間の声に安心して振り向くとそこには…
背中にゾクりとくる演出が光ります。

2020秋アニメ 感想 評価 (50)

 

気になった点としては、キャラクターの個性がやや薄目に感じたところ。
キャラが何を大切にするのか、その動機は何なのか。

今後、キャラの深掘りがされていくことに期待します。

【PV】

DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

2020秋アニメ 感想 評価 (47)

【あらすじ】

魔王ハドラー率いる魔王軍と勇者パーティの戦いは、勇者パーティの勝利で終わり、世界に平和が訪れた。

それから十数年が経った。

モンスターが平和に暮らす怪物の島・デルムリン島で唯一の人間である少年ダイ。
彼は鬼面道士のブラスに育てられながら、友達のモンスターたちと共に平和に暮らしながら、勇者になることを夢見ていた。

そんな中でも何度かの冒険や騒動もあり、その過程でダイはパプニカ王国の王女・レオナ姫と知り合う。

 

【視聴後の感想と評価】

1話はダイの境遇を島のピンチを交えて描いていました。

 

最近、毎クールに1作品ほど出てくる懐かし系リメイク作品です。

 

自分たちの好きな作品を魅力的に仕上げる。

映像にスタッフさんのそんな気迫を感じる1話でした。

ダイが登場するシーンで使われた今風な長回しのカットは島の雄大さが伝わってくる
一方で、勇者VSダイのシーンは古き良き背動と丁寧なアクションで質実剛健な出来。

伝統と最新の技術があわさった良リメイクのように思います。

2020秋アニメ 感想 評価 (83)

 

シナリオについてはそつのない出来

意外性はまだ乏しいのですが、回想シーンを極力、圧縮するなど質の高さを感じます。

モンスターの見せ場に船を揺らすというギミックを使うのも面白かったです。

 

キャラデザや掛け合いについては、リメイクの宿命かもしれませんがやっぱりちょっと古さを感じます。

現代っぽい作風も踏まえた描写になっていくかどうかに期待したいです。

2020秋アニメ 感想 評価 (86)

【PV】

 

魔女の旅々

2020秋アニメ 感想 評価 (24)

【あらすじ】

あるところに一人の旅人がいました。

彼女の名はイレイナ。
若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。

幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。

彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。
そして同じ数だけのーー

「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」

そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公の「灰色の魔女・イレイナ」が魔女になるまでを描いていました。

ファンタジーは夢を与えるもの。
改めてファンタジーは良いなぁと思える素晴らしい1話でした!

 

まず、映像面。

描きこまれた背景が素晴らしい。
時間経過を演出する1カットのために、季節の差分まで用意する徹底ぶり。

この世界のことをもっと知りたいと思わせる良い背景です。

2020秋アニメ 感想 評価 (71)

 

続いて演出面。

全体通してクオリティが高いのですが、特によかったのは星屑の魔女との修行パート(後半)。

セリフなしで1年間の時間の密度を感じさせるという難しいシーン。

魔女の修業らしい幻想的なカットと、師弟らしい日常的なカット。
これらを交互に何度もいれることで、見事に演出が成功していました。

 

▼師匠との修行。数十秒のシーンに彼女たちの1年間がつまっている

2020秋アニメ 感想 評価 (156)

 

シナリオ面は王道といった感じです。

中盤で綺麗にひっくり返し、質のいい人情ものにしている
伏線も目立たない程度にしっかりと前半に張り、筋に説得力がある。

キャラ立てもそつがなく、主人公には嫌みがなく、師匠はかわいい。

器用万能な質のいい作品でした。

2020秋アニメ 感想 評価 (73)

 

今後の気になる点としては、主人公の設定は薄めなので今後シナリオが持つのかなぁというところ。

『キノの旅』や『メルクストーリア』のように特色のある街を巡ってゆく物語のようですが…
毎回のキャラ立てが上手くいくのか、ショートで満足感が生めるのか等が1話では見えないところです。

今期、期待したい1作です。

 

【PV】

 

無能なナナ


【あらすじ】
孤島にある奇妙な学園。
ここは、さまざまな能力を持つ少年少女が集う施設。

生徒たちは、「人類の敵」と呼ばれる怪物と戦うために訓練を受けているのだ。

だが、島にはいくつもの秘密が隠されおそるべき罠が牙をむく。

続発する怪事件。学園にひそむ殺人鬼。
一人、また一人と同級生たちが姿を消してゆく。

無能のレッテルを張られた少年・中島ナナオは転校生の柊ナナと共に学園の生徒として奔走する。

知力、能力の限りを尽くした頭脳戦。そして友情。
熱いドラマにいろどられた「人類の敵」との死闘がいま、始まる!

 

【視聴後の感想と評価】
1話は中島ナナオが柊ナナとの出会いをきっかけにリーダーとして変化していく姿が描かれました。

1話を見終わる。
思わず二度うなずく。
なんとも非常にしびれる1話でした。

1話のシナリオとしては、今のところ今期で一番好きな作品です!

 

▼開始数秒でこの描写。一味違います

 

まず、シナリオは読者を手玉に取る技術が素晴らしい。
マジックショーを見ているような巧みな話の運び方が心地よかったです。

導入で描かれた深刻な謎。意味ありげなキャラの表情。
一体何が起きるんだろう…?

と思えば一転して、初々しい学園生活を送るナナオとナナの青春模様が描かれる。

あえて詳しくは書かないのですが、読者を飽きさせないようにする工夫のつまったシナリオだと感じました。

 

▼要所要所で可愛い表情を入れてくるのもポイントが高い

 

シナリオを後押しするような絵コンテもまた素晴らしい

クライマックスを盛り上げるように少しずつ画面に変化をつけている。
画面に意味を持たせるタイプの構図が演出に効いていました。

 

気になった点としては、この先キャラクターへの好感が持てるかどうかというところ。

バトル・サスペンスとしては面白くなると思います。
ただ、キャラに共感し好きになれる展開が出てくるかが、かなり未知数。

キャラデザがややシンプルで個性が薄めに感じるのも気になります。

 

シナリオや演出力は期待大!
あとはキャラクターの魅力が広がっていくかに要注目な一作です。

 

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

2020秋アニメ 感想 評価 (118)

【あらすじ】

東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校「虹ヶ咲学園」。

スクールアイドルの魅力にときめいた普通科2年の高咲侑は、幼馴染の上原歩夢とともに「スクールアイドル同好会」の門を叩く。

時にライバルとして、時に仲間として。
それぞれの想いを胸に日々活動するメンバーたち。

9人と1人の少女たちが紡ぐ、初めての「みんなで叶える物語」。

届け!ときめき――。
いままた夢を、追いかけていこう!

 

【視聴後の感想と評価】

1話はラブライブの伝統芸能を交えつつ、主人公たち二人がスクールアイドルという夢を追いかけ始めるまでが描かれました。

これまでのラブライブ!を踏まえつつ、挑戦的な内容もあり良い1話だったと思います。

 

まず書きたいのは、ライブパートが派手になったことです!

『ラブライブ』のライブパートは、テレビ版では基本的に手堅いものだったと思います。
現実のステージでキャラが踊る、ある程度現実的なものでした

それが今作では、『固有結界・イメージ拉致』をがっつりやっている。
固有結界とはつまり、キャラが自分の想像した世界で踊る演出のことです。

この手法の場合、キャラの個性を存分に見せることが出来るのが何よりのメリットだと思います。

1話では歩夢の子供っぽいものが好きという価値観が、アリスの世界とピンクに彩られたライブステージで表現されていて、キャラの理解が深まりました。

 

▼歩夢の想像した世界に拉致される彼女のライブパート。モチーフはアリスとピンク

2020秋アニメ 感想 評価 (150)

 

シナリオ面も手堅いもの。

筋はベタなのですが見せ方が好きです。

冒頭と後半を対比的に描く。

同じように食事をし、同じように服を見る。
そして最後に、歩夢が勇気を出して冒頭とは違う1歩を踏み出す

対比を使って鮮やかに、歩夢の最初の一歩を描き出していたと感じました。

2020秋アニメ 感想 評価 (122)

 

ところどころに見えるラブライブらしい控え目な狂気も楽しい

「流しそうめん同好会」や、「ビッグサイト学園化」は良い具合に狂ってます。

2020秋アニメ 感想 評価 (139)

 

映像面は流石に安定した出来。
背景・キャラ共に安心してみることのできるものになっていました。

特にライブパートは上述の通り見応えがあります。
セルルックも更に磨きがかかって、いよいよ手書きと3Dの区別が難しくなってきました。

 

惜しいのは、やはり全体的な筋に目新しさがないところです。

キャラが増えた後、どのように新鮮さを作っていくかに注目していきたいです。

2020秋アニメ 感想 評価 (143)

【PV】

 

神様になった日

【あらすじ】

高校最後の夏休み。
高校生・陽太の目の前に、突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。

「30日後にこの世界は終わる」

そう告げるひなに困惑する陽太。
しかし、ひなが持つ神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。

ひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。

「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

 

【視聴後の感想と評価】

『CLANNAD』などを手掛けた麻枝准さんの作品ということもあり、少しシナリオ面を長めに触れます。

大胆で挑戦的な1話だったと思います。
いわゆる『溜め回』を最初に持ってくる作りになっていました。

 

1話で描かれた情報量はとても少ない
主人公が全知の神様と出会った。ただそれだけ。

伏線、キャラ設定の紹介、物語の展開を最低限の量に抑えています。

これは、1話で切られる可能性もあるやり方かもしれません。
話の筋への期待で興味を持続させることが出来ないからです。

それでも、この作品には『麻枝准×P.A.WORKS』というネームバリューがある。
1話については物語のテンポを落としても切られないという計算があるように感じました。

 

▼極端に言えば、最初と最後のカットだけでも話が通じる情報量の1話

 

そんなリスクを冒しながら、大事な1話の尺を使ったのは次の2点

① 未来予知と世界の滅びという設定を理解させる
② キャラを好きになってもらう

どちらも将来の展開に向けた『溜め要素』です。

 

一つ目の未来予知について

未来予知については念入りに描かれていました。

未来を先読みする描写を何度もいれる。
未来予知の影響を徐々に主人公の身近なところに寄せていく。

この描き方により、未来予知についてのリアリティラインを明確にしています。

30日後に世界が滅ぶ。
未来を予知できるという奇跡が近くにある。

これらが、作品の中では間違いなく事実として存在している

この設定をあえて裏切るかそのまま使うかはわかりませんが、作品の核心となるギミックなのでしょう。

だからこそ、『滅ぶ世界に神様が降臨したという描写』を徹底的に意識づける1話にしたのだと思います。

 

二つ目はキャラへの好感について。

キャラを好きになってもらうには、『笑いと共感』が大事
そんな信念が落とし込まれていたように感じます。

 

笑いについてはとても良かったです。

緊張と緩和、神をいじるボケ、ツッコミのバリエーション…
良いコントを見ている気分になりました。

先読みや名前といった神ネタで、上述のリアリティラインを補強しているのもテクニカルです。

個人的に好きなのは、某宗教をほのめかしたブラックなボケですね。見事なライン越えでした。

 

▼夏目漱石は「名前はまだない」とは言わない

 

共感は主人公の描き方に表れていました。

面倒見がよい、優しいという彼の長所を描く。
一方で、幼馴染に見事にフラれるというエグイ展開を突き付ける

ギャグや共感が効いていて1話でとてもキャラが好きになれました!

 

この先に待っている滅びと奇跡にキャラがどのように立ち向かっていくのか。
物語の先行きは見えませんが、とても気になります。

 

シナリオはここまでとして、演出面も。

BGMはやはりレベルが高いです。
決め所で使ってくる曲は印象的なメロディでガツンとした威力がある。

泣きシーンで使われれば凄い威力になりそうです。
更には、それをボケでも使えるほどバリエーション豊かに持っているのだから贅沢です。

 

映像面も流石PAで見応えがありました。

キャラの動作と表情がとても可愛らしい。

 

撮影も流石の出来。
川べりの夕日のカットなんかは『君の名は。』かな?と思わせる印象的なカットとなっていました。

 

総じてレベルが高い、期待通りの1話でした。

物語の先行きをあえて伏せていることから、1話段階では星4評価。

星5評価も考えたのですが、2話で話の大筋が見えるまでは分からないこと、PV等の刺激の強いシリアス要素の影響が測りにくいのでこの評価としました。

 

評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)

アクダマドライブ

【あらすじ】

全・員・悪・玉!!
犯罪者“アクダマ”たちのクライムアクション開幕!

遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。
カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。

しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。
その犯罪者を“アクダマ”と呼ぶ――

 

【視聴後の感想と評価】

1話はアクダマと呼ばれる悪人たちが、とある事件に巻き込まれるまでが描かれました。

総じて、非常にレベルの高い作品だと思います。

 

映像面は文句なし。

大正×近未来SFという独特な世界を良く表現する背景。
多様なアクションでキャラの魅力を掘り下げる作画。

どちらもこの作品の魅力を存分に引き出しています。

特にアクションは見応え十分。

運び屋のバイクを使った戦闘スタイルは凄くカッコよい。
『FF7AC』のクラウド風なバトルを堪能させていただきました。

 

▼「NO!あおり運転」が皮肉的

 

シナリオも良かったように思います。
各キャラクターの個性を引き出す描写がとても上手い。

特に、一般人の狂気的な品行方正さの表現は鳥肌もの。
500円玉を軸に彼女の葛藤を描きラストに意外性をもたらすシナリオはアイデアが光ると感じました。

 

星3評価としたのは、劇物的な要素が先行し過ぎているように感じたから。

刺激的な要素は確かに惹きつけられます。
ただ、その後に続く要素が再び刺激だけでは満足感が得られません。

 

全員悪人という劇物。
悪人が善性に昇華するところがあると、とても面白くなってくる。

刺激の先に何かしらのテーマ性が見えてくるかどうかに期待です。

 

アサルトリリィ BOUQUET

2020秋アニメ 感想 評価 (123)

【あらすじ】

近未来の地球――
人類は「ヒュージ」と呼ばれる謎の生命体の出現で破滅の危機に瀕していた。
人類はヒュージを滅ぼすことのできる少女たち「リリィ」を養成する機関「ガーデン」を各地に設立した。

ガーデンの中でも名門と名高い百合ヶ丘女学院に入学することとなった一柳梨璃。
彼女もまた、人類存続のために戦うリリィとしての一歩を踏み出す。

そこで梨璃が再会したのは、リリィを目指すという夢のきっかけとなった夢結であった。

 

【視聴後の感想と評価】

1話は舞台説明から主人公の初バトルまでが描かれました。

 

プロローグのバトルシーンは迫力があり一気に引き込まれました!

ひらひらと宙を舞いながら大剣を操る少女。
こういうシーンがアニメの醍醐味です。

 

しかし、その後は主人公・リリのモノローグで設定を淡々と説明しておりやや味気ない
シャフトらしい暗喩表現や落差のある画面の差し込みもありましたが、映像含めて落ち着いた印象でした。

2020秋アニメ 感想 評価 (8)

 

後半のバトルパートに入っても地味さは続き、華のある画面は少なめ。
ラストの入学式でようやく画面の強さを取り戻した感じです。

総じて、1話としては画面・シナリオともにやや物足りない出来でした。

 

対して良かったのはキャラクターの動きと見せ方です。

リリなら太ももなど、キャラごとのこだわりが感じられて良い!

2020秋アニメ 感想 評価 (7)

 

気になったのはアクションシーン。

動きは悪くありません。
ただ、脚本上の見せ場が上手くアニメとして見せ場にできていないように感じました。

 

と、ここまでなら星2評価なのですが、EDが非常に良かったので星3にしています。

キャラの表情、個性、組み合わせをたっぷり見せる1分半。

過酷な運命とキャラの成長をほのめかす映像は作品全体の雰囲気を引き締めています。

2020秋アニメ 感想 評価 (26)

 

多人数の少女×バトル×学園×過酷というと『舞-HiMEシリーズ』を思い出します。
今後、同作のような名シーンが生まれるかに期待です。

安達としまむら

【あらすじ】

体育館の二階。
ここが私たちのお決まりの場所だ。
今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。

ここで、私としまむらは友達になった。
好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり…友情なんてものを育んだ。

頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。
なんだろうこの気持ち。

昨日、しまむらとキスをする夢を見た。

別に私はそういうあれじゃないのだ。
しまむらだってきっと違う。
念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。

ただ、しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。
ただ、それだけ。

 

【視聴後の感想と評価】

1話はあだちとしまむらの日常と距離感の変化が切り取られていました。

 

間口が極端に狭いのですが、好きな人はドはまりするタイプの作品のように感じます。
なお、私は好きです。

 

作品の特徴として、1話で大きな事件は起きませんでした。
あくまで主人公二人の平凡な高校生活が淡々と描かれる。

ポイントは二人がお互いに人と距離を置くタイプというところ。
他人と自分、特別な人と自分など、人との距離感に焦点をあてている。

小さな事件による、人の距離とその変化を描きとることで物語が進んでいきます。

 

私が好感を持ったのは、この滋味な題材を描くために工夫がつまっているところ。

一番大きな工夫は画面作りでしょう。

いくつか実際の例を挙げると…

▼目が合わないことに着目し距離の遠さを表現。

▼自転車の歯車で距離がかみ合ったことを表現。

▼キャラの感情とキャラ二人の性格が鏡のようになっていることの表現

このように画面に意味が作られています。
撮影効果も綺麗につけられていて画面の強さもある。

行間を探りながら画面を楽しんでいくという見方ができる作品です。

 

もうひとつ大きなポイントは百合要素を含んでいるというところでしょう。

尊さを感じる主人公たちの日常が眩しい。

『やがて君になる』ほどの劇的な作品ではない。
どこか等身大な、日常に寄り添った距離の描き方がこの作品の持ち味で面白いと思います。

 

楽しみ方の間口が狭いので星3評価としていますが、作品の質としては星4評価でも良い。
独特な持ち味を持った良作だと感じました。

 

くまクマ熊ベアー


【あらすじ】
引きこもり美少女のユナは、VRMMORPG『ワールド・ファンタジー・オンライン』の廃ゲーマー。

ある日いつものようにログインしてみると、なにか普段と様子が違う。
もしかしてここって――ゲームの中?

戸惑うユナの手足には『クマの服』『クマの手袋』『クマの靴』。
こうして生まれたクマっ子少女。しかしこのクマ…ただのクマではない。

世界最強クラスの魔法とスキルを秘めた、とんでもなくスーパーなクマだったのだ!

最強無敵なクマっ子による、クマな冒険とクマな日常の物語、始まります♪

 

【視聴後の感想と評価】
1話は主人公・ユナのゲーム世界での活躍が描かれました。

 

まず、話の筋は全然面白くなかったです!

圧倒的な強さの主人公が敵を倒し村を救う。
ド定番でベタな物語でした。

 

▼何度見たかわからない、教科書通りのヨーロッパ風の街

 

ただ…意外と見た後に充実感が残るのが不思議です。

ひとつ違いを感じたのは、セリフの掛け合いが小粋な所。

助けを乞う村人。情報をくれる村人。村が救われて喜ぶ村人。
キャラが立っているわけでもなく、意外性のあるシーンでもない。

しかし、少しだけ会話をズラしているのがよく効いている。

村が滅ぶ絶望を急な笑いで表現したり、子供が妙な勇気を見せたりする。
会話に効かせたアクセントが心地よかったです。

この先、メインキャラが増えてきたときにどんな会話になるのか、期待が出来ます。

 

▼地味な展開の中、クマの描写は新鮮さを生んでいました

 

バトルパートは1話なので苦戦は無し。
ただ、魔法が通じずテクニックを使って勝つというのは当たり前ではあるのですが、きちんとしたバトルになっている。

主人公が家族から孤立している存在という点や面倒見の良さを発揮するというのも、きちんとしたキャラ立てです。
クマ要素がちゃんとシナリオでいじられているのも良かった。

総じて、気楽にみる「なろう系アニメ」としては充実感のある作品だと思います。

 

戦翼のシグルドリーヴァ

2020秋アニメ 感想 評価 (120)

【あらすじ】

――突如、地球上に現れ、あらゆる生命の脅威となった『ピラー』。

打つ手もなく追い込まれていく人類に手を差し伸べたのは、自らを『オーディン』と名乗る神と彼が授ける戦乙女『ワルキューレ』たちだった。

人類とピラーとの戦いが続く空。
戦翼を纏った戦乙女たちが空に舞い、全ての人類が彼女たちの勝利を祈る。

日本にも3人の戦乙女たちがいた。
いずれも腕は確かだが、揃いも揃って問題児ばかり。

そこに、欧州から訳アリのエースパイロットがやって来ることになり……。

「さあ、反撃の時だ、人類。来るべき決戦の日――ラグナロクの時は近い」

 

【視聴後の感想と評価】

1話は、死神の異名を持つS級パイロットのクラウが、館山基地の優しさに触れて仲間と心を通わせていくまでを描きました。

面白い、だが惜しい。
そんな印象で星4寄りの3評価。
ただ、わたしは結構好きです。

 

まず良かった点から。

特に良かったのはキャラ造形と掛け合いです。
メイン4人のキャラがとてもかわいい!

2020秋アニメ 感想 評価 (101)

腹黒かわいいピンクや、天才やられ役で面倒見の良い銀髪など、上手い具合にズレていて新鮮味がありました。

彼女たちの掛け合いも、そんな個性を発揮するものとなっていて聴きごたえがあります。

 

4人の中でわたしは特にアズズが好きです。

もともと銀髪キャラが好きなのもあるのですが、「銀髪なのにお人よし」という設定がクリーンヒットな感じ。

アズズを見るために1クール視聴が確定しています。

2020秋アニメ 感想 評価 (106)

 

さて、サブキャラも個性が強め。

杉田智和さんや千葉繁さんといった声に力があるキャストさんたちのおかげで、僅かなセリフでも印象に残るキャラになっているように思います。

 

バトルについても面白かった。

スピード狂、頭脳、破壊力、バランスと各キャラのスタイルに個性があります。
それらを具体の描写に上手く落とし込めていて見応えがありました。

 

映像面は素晴らしいまでとはいかないものの、安定した出来。

バトルよりも日常のモーションが光っていたと思います。
キャラのちょっとした動作がこだわって作られていて、可愛さを引き出せています。

2020秋アニメ 感想 評価 (117)

 

ここからは気になった点。

まず最も気になったのは構成です。

最初からバトルが二連続で続いている。
そのため、特にクラウの掘り下げに重要な2回目のバトルの印象が薄くなっているように感じました。

その尺に押され、中盤のクラウと館山基地メンバーの交流が物足りなくなっている。
ここでクラウの孤独がもっと印象的になっていれば、終盤の展開に味が出ていたように思います。

 

もう1点はセリフ回しです。

クセの強いセリフが多めで、それが悪い方向に働いているシーンが散見されました。
キャラが好きならノれるんだけど、思い入れがないとノれない。

館山基地のメンバーが好きになれば良い方向に働くとは思いますが、1話段階では少しイタイタしさがあったように受け取りました。

2020秋アニメ 感想 評価 (118)

 

初回はまとまってはいたものの、設定解説もあり少しグダついた印象。

また、航空モノはピンチを描きにくいという弱点もあります。

今後、どのように話が展開していくのかに要注目です。

 

体操ザムライ

【あらすじ】

時は 2002年。

かつては強かった日本男子体操界。
体操に人生を注いできた元日本代表、荒垣城太郎(29)は、思うように演技ができなくなっていた。

それでも練習を重ねる日々を送っていたが、ある日コーチの天草から「引退」を勧められてしまう。
悩む城太郎。
それを支える娘の玲。

だが、ある『出会い』によって荒垣家の運命は大きく変わっていく。

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公・城太郎が引退という宣告と向き合う姿が描かれました。

少し、散らかった1話だったという感想です。

 

良かった点は、まず見せ場となる体操シーン

作画は良好。
体操らしいダイナミックな動きと重量感が伝わってきます。

面白かったのは、体操にピアノのBGMをあわせてきたこと。
重量的な作画に軽快なピアノ。

相反する要素が上手くかみ合い魅力的なシーンになっているように感じました。

 

マスコットポジなキャラの描写も良かった点に挙げられます。

BBという賑やかしなオウム。
そして、最愛の娘である玲が可愛い

家族のために頑張る城太郎の気持ちに共感できる、可愛らしいキャラクター達だったと感じました。

 

一方で気になったのはシナリオ面。

『引退』という人生の岐路に向き合う城太郎。
そこを描くことよりも、レオナルドの顔見せに尺が使われてしまった

城太郎の決断のきっかけとなる家族の思い出の描写が薄い
だから、最後のシーンのカタルシスが足りないように感じました。

レオナルドの無意識?な妨害を殊更に描くのであれば、最後のシーンもそれを理由にするべきだったように思います。正直、描写がここだけ浮いていたような印象です。

 

1話の感想としては、作品の根幹のヒューマンドラマの部分よりも、キャラクターの絡み合いの部分を優先する作品なのかなぁという点が先行してしまいます。

メインキャラの描写を注視していく作品のように思います。

 

ひぐらしのなく頃に

2020秋アニメ 感想 評価 (121)

【あらすじ】

都心から遠く離れ、色濃く残る自然に囲まれた集落──雛見沢村。

都会から雛見沢へ引っ越した少年・前原圭一。
彼が雛見沢の仲間と過ごす賑やかでのどかな生活は、いつまでも続く幸せな時間のはずだった。

一年に一度行われる村の祭り、綿流し。
その日が来るまでは…。

昭和五十八年、六月。
ひぐらしのなく頃に。

日常は突如終わりを告げ、止まらない惨劇の連鎖が始まる──。

 

【視聴後の感想と評価】

懐かしいと言うと、インターネット老人会と言われそうなこの作品。
ですがやっぱり、懐かしい。

 

衝撃的なOPから始まり一転、和やかな田舎の生活を描く。
やがて、ひぐらしの声と共に聞こえてくるサスペンスの足音。

昔、見たときには気づなかった本作の様々な工夫が見えてきてとても楽しめました。

2020秋アニメ 感想 評価 (32)

 

なんといっても雰囲気の落差を作るのが抜群に上手い!

前半では無邪気な部活メンバーを描く。
中盤の「嫌な事件だったね」。

後半は楽しい部活を描きならも『探す』というテーマを軸に緊張感を保ち、ラストのレナの表情につなげていく

アニメのサスペンスとして不朽の名作である本作を上手くリメイクしていると思います。

2020秋アニメ 感想 評価 (43)

 

ただし、惜しいのはキャラの掛け合いや造形に古さが見えるところ。
キャストさんが声を保ててるのは凄いですが、ちょっとノリはきつい。

 

そしてもう一つ。

恐らく尺がないんだと思いますが、駆け足に設定を消化してしまっているところは気になります。

個人的には『ひぐらし』に初めて触れる方にはゲームか、リメイク前のアニメで腰を据えて楽しんでいただきたいかなぁと思います。

1話のエンディングの仕掛けも含めて、リメイクは既に内容を知っている人向けなように感じました。

魔王城でおやすみ

【あらすじ】

かつて人と魔が交わり、共に存在した時代。
魔王は人間の姫をさらい、自らの城に幽閉した──。

囚われのスヤリス姫は、檻の中でつぶやく。
「…寝る以外…することがない」

姫が求めるのはmよりよい安眠。
牢をこっそり抜け出して魔王城を…探索!?

自由気ままな人質姫が魔物たちを巻き込んで好き勝手!!
新感覚、睡眠ファンタジーコメディ!

 

【視聴後の感想と評価】
魔王城に囚われたスヤリス姫が善き魔物たちを相手に大暴れする1話でした。

 

コメディとしてのレベルが高く、くすっと笑える作品だと思います。
「魔王」という存在や「囚われ」という設定で緊張を高め、「姫の傍若無人なふるまい」で緩和する。
フリとオチが丁度いいテンポで繰り返され、見やすかったです。

 

キャストさんに上手い方が多いのも魅力でしょう。
魔王役の松岡禎丞さんや幹部役の小山力也さんなどの優しい演技のおかげで、魔物たちはいいやつだなぁと思えます。
主人公を演じる水瀬いのりさんの声も、浮世離れした姫様の可愛くヤバイ魅力を引き立てていました。

 

その他、ミュージカル風電波ソングなOPや安眠を求めるという作品自体の切り口の面白さなど、良いところが多い。

 

ただ、気になる点もあります。

ひとつは、スヤリス姫が好き勝手振舞う割に、しっぺ返しを食らわない点
囚われているという設定を踏まえても、少しクズ要素が際立ち過ぎかなぁと感じました。

もうひとつは、25分に同じ展開が3回繰り返されるという点。
安眠を求めて旅立つ⇒クズ行為⇒安眠の繰り返し。

 

変化球が来るのか。そもそも1クール持つのか。
1話は楽しめたのの、この先のマンネリ化が心配になる1作という印象です。

 

評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)

いわかける!

【あらすじ】
『スポーツクライミング』。
頭脳と肉体を駆使し、己の身体一つで壁を登る競技。

パズルゲームの天才・笠原好(かさはら・このみ)が偶然出会った、校内名物のクライミングウォール!
それはまるで、色とりどりの「岩のパズル」のように見えた…

そんな運命の出会いが、好の人生を一変させる!
花宮女子高校クライミング部の仲間と共に頂点を目指して駆け上がれ…!

アツい本格クライミング・ストーリーが、今始まる!

 

【視聴後の感想と評価】
1話は好がクライミングと出会い、部活に入るまでが描かれました。

 

私はクライミングというと『アイカツ!』で良く出てきたなぁという印象くらいしかなかったのですが、本作でとても深い競技なのだとわかりました!

 

専門用語を用いてクライミングの色々な技術を紹介してくれるのは新鮮で、なるほどという感じ。
主人公がパズルの天才で、その才能を活かして活躍していくというのもスポーツモノの王道を行く展開で好感です。

 

上述のように良いところも多かったのですが、今回は星3寄りの星2評価です。

 

惜しかったのは次の2点。

 

一つ目はキャラクターの描写です。
少し、キャラへの共感が物語の展開の犠牲になっていたように思いました。

パズルの天才で一気に才能を開花させる主人公。
クライミングだけに全てを費やしたライバル。
相反する二人だが、「何かに熱中して人生をそれだけに賭けてきた」という点は共通している。

試合の展開含めて2人の対比は綺麗で技術的なのですが、そもそも2人が戦う理由が弱すぎる。
戦うという展開のためにキャラがいるような印象を受け、没入感が弱くなりました。

 

もう1点は試合のクライマックスの映像。
まさかカメラを切り替えながら顔ドアップのみで勝負

…もうちょっと、クライミングの良さが欲しい。

 

『クライミング』という難しい題材をどのようにさばくか。
そして、4人のキャラクターの掛け合いが楽しいものになるか。

これらが2話以降に磨かれていけば化ける可能性はあると思います。

 

おちこぼれフルーツタルト

【あらすじ】

アイドルを志し上京した高校一年生・桜衣乃はネズミ荘と呼ばれる寮へ住むことに!

ネズミ荘――そこは売れない芸能人たちのたまり場。
(元)子役のロコ。
ミュージシャンのはゆ。
モデルのニナ。

衣乃はネズミ荘の住人達と、 新人アイドルユニット「フルーツタルト」を結成する。

取り壊しの危機に瀕するネズミ荘を救うため、 芸能界のおちこぼれ達がアイドル活動で七転び八起き!?

 

【視聴後の感想と評価】

1話はアイドルユニット・フルーツタルトの誕生と初活動が描かれました。

 

ギャグテイストが少し強めに出たきらら系アニメ。
感想としては何処をとっても惜しい…という感じ。

 

キャラデザは大分好きです。

ただ、肝心の作画がヘタリ気味で物足りない。
髪型が凝っていて大変なのが伝わってきてしまうクオリティです。

 

キャラ付けは無難に可愛い。
ただ、ギャグのキレがイマイチなので印象に残りづらい。

 

私が特に気になったのは会話です。
キャラのリアクションがどうにも紋切り型な感じがして、新鮮味がない。

会話の組み立てもやや違和感。

撮影パートでは大きいボケである歌とダンスを最初に持ってくる。
そのあとは地味なボケを重ねていて、しりすぼみな印象がありました。

 

ひとつ印象に残ったのは後半とEDのちょいエロ要素!

健全なキャラデザ×フェチズム強めな構図に独特な良さがあります。
過去作品で言えば『ひなこのーと』のような作風のように思いました。

今後、キャラがこなれてきて掛け合いに魅力が生まれるかに注目したいところです。

 

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦

【あらすじ】

機械仕掛けの理想郷「帝国」と 魔女の国「ネビュリス皇庁」。

戦争が続く両国には、二人の英雄がいた。
最年少にして帝国の最高戦力となったイスカ。
ネビュリス皇庁の王女にして“氷禍の魔女”アリスリーゼ。

戦場でめぐり逢った二人は、命を賭して戦う宿敵となる。
しかし、激闘の中で互いの素顔に触れた二人は、その生き方に、その理想に惹かれてしまう。

……そんな二人を嘲笑うかのように、世界の緊張はなおも高まり、大国の謀略が交錯しようとしていた。

分断された世界、それでも少年と少女は想いを募らせていく――。

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公・イスカとヒロイン・アリスが戦場で出会い、再会するまでが描かれました。

 

この作品がJRPGとしてゲームで出れば良かったのにと思う1話でした。

 

まず、世界観は結構好きです。

ある程度、文明が進み機械と魔法が共存する世界。
ゲームで言えば『テイルズオブエクシリア』、『閃の軌跡』や『FF7』が近いでしょうか。

こういう世界の街並みは無条件でワクワクしてきます。

 

バトルも綺麗な画面作りとなっていて惹かれました。
氷魔法の美しさが良く表現されていたと思います。

ヒロインの技が「無限の剣と無敵の盾」という某アーチャーと被っている気がしたのは気になりましたが。

 

ただ気になるのはキャラの個性とその掛け合いが薄めだったことです。

目新しさがなく、意外性がない。
予定調和の会話に更に説明が混ぜられるので淡白でした。

これがゲームであれば、自分がキャラを操作するので会話が地味でも共感が進むのですが、アニメだとどうにも厳しい。

 

劇的なあらすじの物語なので、キャラへの感情移入を促す工夫が欲しいかなぁと思うところです。
逆に言えば、そこさえ上手くいけば演出や世界観は良いので見応えが生まれると感じました。

 

トニカクカワイイ

【あらすじ】

謎の美少女・司に運命の一目惚れをした少年・由崎星空(ナサ)。

ナサの決死の告白に司が返した返事は…

「結婚してくれたら、 付き合ってあげる」

ナサと司の愛に満ち溢れた、 カワイイ&尊い新婚生活が始まる!!

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公のNASAトークから始まり結婚するまでが描かれました。

 

ラブコメで初手結婚、というスピード感を持った展開に驚きます。

それにしてもアニメ・漫画におけるトラックは過労死しそうなほどの登場率ですね…。

 

さて肝心の内容ですが、細かいテクニックは効いていたなぁという印象です。
コーヒーをこぼしたり、血をこぼしたり、お嫁さんと月の組み合わせを繰り返したり…。

地味な展開を持たせるために工夫が凝らしてありました。

あとは終盤の主人公の心の声が漏れていたというのが、ヒロインが心を読める設定の伏線とかだったら本当に上手いなぁと思います。

 

ただ、やっぱり構成的に無理があるかなぁと。

ヒロインかわいい!も、主人公よかったね!も…
やはり積み重ねがあってこそ共感ができる。

インスタントな展開では中々感情移入が進みませんでした。

 

映像面は安定していますが、シンプルな絵過ぎて少し地味。
その中でヒロイン役を演じる鬼頭さんの訥々とした演技は華を与えていたと思います。

 

構成を犠牲にしてまで得たかったのが結婚をキーにした物語なのか、単なる新鮮さの獲得だけだったのか。

今後の展開を含めて考えていくべきものと思います。

 

100万の命の上に俺は立っている

【あらすじ】

合理的で単独行動が好きな幼年・四谷友助は、ある日ゲームじみた異世界に転送された―。

すでに転送されていたクラスメイトの新堂衣宇、箱崎紅末とともに彼は、命を懸けたクエストに挑むことに。

感情論を廃してすべての要素をフラットに。
時に、仲間の命すら駒として扱う冷酷な四谷。

襲い来る魔物、厄介な事件、そして暗躍する強敵からパーティの全滅を防ぎ、このゲームをクリアすることができるのか?

 

【視聴後の感想と評価】

ゲームっぽい異世界に行き、主人公が活躍を始めるといういつもの1話でした。

これまでの類型作品と一味違う点は、主人公がクズ寄りの所と割と弱い職業という点。
つまり、面白くなかったです。

 

主人公をクズ寄りに持ってくるのであれば、それ以上のクズを敵に持ってくるというような工夫が欲しいのですが、1話段階では厳しそう。

そもそも、ヒロインのキャラ立てもほとんど出来ていないので…。

 

構成・演出共にベタ寄りで全体的に無味無臭、そこに主人公がクズという要素を詰め込む。
結果、そこだけが悪目立ちしているという感想です。

 

ひとつよかったのは、異世界転生時の演出。

これはサスペンス感、ファンタジー感、状況解説が一気にできている良演出でした。

 

まえせつ!

【あらすじ】

お笑い芸人を目指す19歳の若き乙女たち。
北風ふぶき、凩まふゆ。
新谷りん、朝生祇なゆた。

朝晩アルバイトをしつつ、本気でネタの練習を励むも4人には中々芽が出ない。

まふゆの妹まなつと幼馴染のかなえもお笑い芸人への道を目指そうとする。

 

【視聴後の感想と評価】

1話は主人公たち4人のお笑いと隣り合わせな日常が描かれました。

 

サービス精神は旺盛な1話だったと思います。

キャラ原案の美水かがみさんの作品である『らき☆すた』の泉こなたを使ったネタを入れ込む。
こなた役を演じた平野綾さんがゲスト出演する。
実在の芸人さんがゲスト出演するなど。

OPも『らき☆すた』つながりで神前暁さんが担当されている。

ただ、そういうのはあくまで隠し味であるべきかなぁという感想です。

 

サービス精神ばかりが印象に残り、この作品らしさが記憶に残ってこない。

お笑いの話なのに、滑るギャグを連発して発展しない。
実際の漫才は披露されない。

中々、どうしてこの題材を選んだのかが見えてこない1話でした。

 

日常会話やキャラの魅力に光るところがあるわけでもなく、厳しめな1話でした。

 

評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)

神達に拾われた男

【あらすじ】

天界に召された竜馬は子どもの姿で異世界へ転生。

深い森で一人、のんびり暮らし始めた8歳のリョウマは、魔法でテイムしたスライムたちの研究にのめり込みながら新しい人生を謳歌する。

やさしい人たちに囲まれて毎日が楽しい、まったり異世界スローライフファンタジー!

 

【視聴後の感想と評価】

お手本通りの異世界転生と主人公の設定解説が行われました。

 

虚無を虚無にアニメ化したという印象です。

既に10回くらいは見た気がする異世界転生の導入を25分かけて描くという、視聴者の精神的苦痛レベルが主人公を追い越しそうな1話。

 

紋切り型なキャラデザ、シナリオ、演出。

作画は安定しているので、想定通りに作り上げられた虚無という凄味。

十分、堪能しました。

 

キングスレイド 意志を継ぐものたち

【あらすじ】
人と魔族による壮絶な戦いの果て、魔王アングムンドが敗れてから100年が経った。

平和な時代に見習い騎士のカーセルは生きていた。
だが、魔族が近隣に現れたとの知らせからカーセルの運命が動き始める。

大賢者に導かれ、頼れる仲間を得たカーセルは旅立つ。
封印されし聖剣を求めて・・・

【視聴後の感想と評価】
1話は主人公・カーセルに転機が訪れるまでが描かれました。

あまりにも真っすぐすぎる、そんな1話でした。

キャラの掛け合い、展開…全てが予想通りに運んでいく。
意外性がないので25分がやや長く感じました。

 

物語を進めるための要素を淡々と描いていくので、キャラへの感情移入も進みにくい。
キャラを好きになるような工夫があれば、もう少し楽しく見れたように思います。

 

映像も淡白。
見所となるようなアクションシーンも特にありませんでした。

 

特筆して作品を見ていく理由が頑張っても見つけにくい。
中々、厳しい1話でした。

 

1話時点での総括

今回も一通りの1話を見てきました。

感想としては、一ひねり加えた作品が多いように思います。
言い換えれば、『従来の作品へメタ的な要素を加えたカウンター的な作品が多い』といえばいいのか…

 

例えば、『無能なナナ』。
能力者VS悪者という王道な構図。
『僕のヒーローアカデミア』などに代表される作風に無能力者というエッセンスを加えてサスペンス風に仕上げている。

『ひぐらしのなく頃に』も原作のルールを逆手にとって新たな物語を生み出そうとしています。
『魔王城でおやすみ』もドラクエ風(ダイの大冒険と同じクールなのが面白い!)な世界観をメタ的に利用してコメディに仕上げています。

こういった作品は最初のつかみはとても面白い。
それだけに、中盤でどのように展開していくかこそが、作品の持ち味を見る真の見所になるように思います。

 

王道といえば、泣きゲーという一つの王道を作った麻枝准さんの『神様になった日』。

こちらは今のところ、かなりスロウなテンポで話を進めています。
構成的には伏線を序盤で撒いて後半で回収していく印象を受けますが、大分チャレンジな作り方のように思います。

 

色々な作品の1話を見てると、やはり王道だけでは立ち行かないんだなぁと実感
そんな中で、美少女×青春の『ラブライブ!』や可愛いだけをブレンドした『ご注文はうさぎですか?』の潔さはある意味、男らしさを感じて安心します。

 

ダラダラと書いてきましたが、今期はかなりの豊作です。
星3~4が大勢を占めるということで、見ごたえのある作品が多いクールと言えるでしょう。

映画方面で言えば、『鬼滅の刃』が凄まじい勢いでお客さんを映画館に呼び寄せている。

 

勢いが生まれているアニメを今期も時間の許す限り、楽しんでいきたいと思います。

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