『鬼滅の刃』をネタバレなし評価(未視聴の方向け)とネタバレあり感想(視聴済みの方向け)でレビューします。
※ネタバレあり感想は、ページ最下部に掲載。
おすすめ度:★★★★★(87点)
一言感想 :炭治郎の優しさ、禰豆子との兄妹愛に心打たれる。そして神回・19話は必見の出来
評価(5段階・要素別)
カテゴリ:バトル・ファンタジー
総評価:★★★★★(87点)
シナリオ:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
演出:★★★★★
(音楽:★★★★★ 映像:★★★★★ アイデア:★★★★☆)
※評価の理由は、ページ下部に記載しています。
「1分で読める」レビュー要約
【超あらすじ】
鬼がはびこる大正時代の日本が舞台。
鬼と化した妹・禰豆子を人へ戻すため、そして殺された家族の仇を取るため、鬼との戦いに挑む主人公・炭治郎と禰豆子の姿を描いたバトルもの。
■レビュー「原作者感動の神回はなぜ生まれたのか」
・神回の見どころは、作品の長所があわさり生まれた迫力のバトルシーン
・長所①:炭治郎と仲間たちとの絆(炭治郎の魅力・炭治郎と禰豆子の絆・絆による勝利)
・長所②:豪奢な映像と上質な音楽によるアニメーション(「呼吸」のエフェクト・BGMを担当する二人の名作曲家)
【その他、良かった点】
◎特徴的な敵キャラたち
【その他、気になった点】
△セリフの説明感が強くテンポの悪いシーンがある
△男性キャラの描かれ方とノリが、時々キツイ
※この他、第19話に見られる様々な工夫などをページ最下部のネタバレ有り感想に記載
『鬼滅の刃』レビュー「原作者感動の神回はなぜ生まれたのか」
週刊少年ジャンプ連載の人気漫画『鬼滅の刃』。
『Fate』シリーズ等で知られる人気アニメ制作会社「ufotable」。
そして、この2つがタッグを組んだTVアニメーション『鬼滅の刃』。
これが面白くならないわけがありません。
超あらすじはこんな感じです。
鬼がはびこる大正時代の日本が舞台。
鬼と化した妹・禰豆子を人へ戻すため、そして殺された家族の仇を取るため。
鬼との戦いに挑む主人公・炭治郎と禰豆子の姿を描いたバトルもの。
■左:主人公・炭治郎、右:ヒロインで妹・禰豆子
さて、この作品の長所は大きく2つあると思います。
①炭治郎と仲間たちとの絆
②豪奢な映像と上質な音楽によるアニメーション
そして、この2つの長所が合わさるのが少年漫画の華であるバトルシーンです。
仲間たちとの絆で勝利するジャンプならではの熱さと、素晴らしいアニメーションがあわさる。
特に、第19話は原作者が大絶賛。
ネット上でも大変な評判となったいわゆる「神回」でした。
神回の最大の見所は前述したバトルシーン。
そこでは、今回紹介する2つの長所がうまく盛り込まれていたと思います。
記事を書く私も10回くらいは見直してしまうほどの魅力のある回で、必見です。
【吾峠先生よりコメント到着!!】
いよいよ明日より順次放送開始となる、那田蜘蛛山での戦いのクライマックス・第19話「ヒノカミ」。
なんと「鬼滅の刃」原作者の吾峠呼世晴先生よりコメントと描き下ろしカットをいただきました!第19話は8/10(土)23時30分より放送!ぜひお楽しみに!#鬼滅の刃 pic.twitter.com/xRkGas1m82
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) August 9, 2019
では、神回の原動力となった2つの長所などに着目しながら、『鬼滅の刃』がどんな作品かを紹介していきます。
長所①:炭治郎と仲間たちとの絆
まずは、『鬼滅』の個性的なキャラクターたちを紹介します。
人生ハードモードでも負けない、優しい長男・炭治郎
では、作品の中心である主人公・炭治郎から。
冒頭から、彼の人生はとてもハードモードです。
炭を売って家族と慎ましやかに、幸せに暮らす炭治郎。
それが、一夜にして変わる。
鬼に襲われ、家族を失い、最愛の妹・禰豆子は人ではない鬼へと変えられてしまう。
普通の人なら心が折れてしまうでしょう。
しかし、彼は負けない。
妹を元に人へ戻すために、鬼との戦いという更に過酷な運命に身を投じていきます。
もう、この流れだけで応援するしか無いんですが・・・彼の凄いところはその先にあります。
これだけ過酷な境遇にあっても、炭治郎は他者への思いやりを何より優先するんです。
その向き先は妹であり、仲間であり、更には敵である鬼にまで向けられる。
その優しさは、彼が長男として育ったという境遇から生まれています。
・・・なんというかもう見ていて脱帽でした。
熱いキャラとか、クールなキャラとか色々な主人公がいます。しかし、優しさが個性の軸となっている少年漫画の主人公は初めて出会ったと思います。
今年のアニメキャラで「友達にしたいキャラクターランキング」があったら間違いなくトップに君臨する存在(筆者調べ)。
それが炭治郎だと思います。
炭治郎と禰豆子「鬼の血を超えた絆」
炭治郎の最愛の妹、それが今作のヒロインである禰豆子です。
冒頭で人から鬼となってしまう彼女。
この作品の世界では、本来、鬼と人の共存は難しいんです。
鬼とはつまり、「人の血への渇望により自我を失った吸血鬼」のような存在。したがって、人の近くにいれば鬼は必ず人を食らってしまう。
それが、禰豆子の場合は違います。
兄への愛により、鬼の血から生まれる欲求に抗ってまで兄と共に在ろうとする。
そして、鬼となり得た力を駆使して、兄と共に鬼と戦っていく。
この姿にぐっと来ました。
やっぱり戦うヒロインというのは良いですね。
彼女の場合、鬼ということもあり回復力が並外れています。そのため、作中でも兄を守るために結構ボロボロになる。
ただ守られるだけの存在ではないんです。
車の両輪のように、立派に兄のパートナーとなっています。
だからこそ、炭治郎と禰豆子の絆が一層際立ち、二人の戦いを応援したくなりました。
炭治郎と伊之助「ケダモノが思いやりを知る」
炭治郎は上で紹介したとおり、ある種完成された人間です。
だからこそ、作品ではそのバランスを取るように何処かが「欠けている」仲間たちが登場します。
今回はそのうちの一人、嘴平 伊之助を紹介します。
■伊之助。猪の面が最大の特徴
彼は、見かけどおり猪突猛進な人間です。他人への思いやりよりも自分の欲を優先する。
その欲とは、戦闘欲です。
ひたすらに強い敵と戦うことだけに注力していく。
そんな彼が、炭治郎や他の仲間達と出会う。
炭治郎たちの持つ、様々な思いやりに触れていきます。
やがて、ひたすらに猪突猛進な生き方と戦い方をしていた彼に変化が起きていきます。
炭治郎と伊之助の間に芽生えた絆をもって、強敵に立ち向かっていく。
このような、絆が戦闘に活きてくるというのが鬼滅の刃の戦いの特徴で、とても感情移入が出来ました。
この他にも、仲間としては臆病な剣士「我妻 善逸」や剣技の師匠『鱗滝左近次』など魅力的なキャラ達と出会い、炭治郎は絆を育んでいきます。
■第三段キービジュアルより。個性的なキャラが登場する
長所②:豪奢な映像と上質な音楽によるアニメーション
ここからは、キャラから離れ2つ目の長所であるアニメーション周りを紹介します。
「呼吸」が見えるエフェクト作画
『鬼滅の刃』では、剣士それぞれがもつ技として「呼吸」という概念があります。
特殊な呼吸をすることで、身体能力をあげて強い剣戟を放てるようになるというもの。
炭治郎は「水の呼吸」。
他にも「雷」、「風」など色々あります。
この呼吸に関する描写がアニメ化により非常に美しくなりました。
■原作漫画での呼吸
■アニメでの呼吸(OPより)
水感が凄い!
上の画像はOP映像の抜粋で、これが1話のラストで流れた際は非常にテンションがあがりました。
しかもこのエフェクトはOPだけの特別版ではありません。
本編でもきちんとこのエフェクトが見れます。
まさに、戦場の華といった感じで見ごたえのあるエフェクトが各話で見れる。この作品が評価を得た大きな強みです。
縦横無尽なカメラワーク
今作の映像は、大胆なカメラワークが多いのも特徴です。
例えば、次のカット。
■第13話より
1枚めから3枚めまで、「1カット」です。
おそらく、このシーンでは背景・キャラ・エフェクト全てを3DCGで描いているんだと思います。
グリグリとカメラを動かせる大胆なカメラワークはやはり、3DCGの特権。
要所要所で3Dと作画をうまく使い分け、見ごたえのある映像が作られていました。
場面を盛り上げる壮大なBGM
今作のBGMは二人の作曲家さんが担当されています。
・梶浦由記『SAO』シリーズ、『Fate』シリーズ等
・椎名豪『テイルズオブレジェンディア』、『ゴッドイーター』シリーズ等
今作では、二人の特徴がいい具合に作品にマッチしていると感じました。
梶浦由記さんは、フルートやストリングスを使った闇の感じる繊細なBGMを多く手がけられています。
それは、夜の闇に鬼が潜む今作の世界観にとても合っていました。
そして、椎名豪さんの楽曲は、オーケストラを使った壮大なものに定評がある。
これがまた、バトルシーンを盛り上げてくれていました。
キャラクターのグッと来るセリフの直後に、BGMの楽器数が増え、更にクレッシェンドして一気にテンションが上っていく。
これが非常に刺さります。
最大の見どころ「長所があわさり生まれる少年漫画の華:バトルシーン」
ここまで紹介してきた長所があわさるのが、バトルシーンです。
・日常パートで育んだキャラとの絆
・エフェクトとカメラワークが優れる豪華な映像
・世界観にあっており、盛り上げどころを心得ているBGM
これらがあわさることで、心に刺さるバトルシーンが生まれています。
2~3話に1度くらいのペースで見返したくなるシーンがあり、非常に楽しめました。
特に、第19話は最高のバトルシーンとなりました。
バトルシーンの解説はネタバレあり感想に記載していますのであわせてご覧ください。
総評価と感想
近年でも珍しい、とても力の入った漫画のアニメ化といって良いと思います。
物語の見せ場がきちんと映像的な見せ場になっているのは、やはり見ていて気持ちが良かったです。
バトルを繰り返すだけでなく、キャラクターの想いがバトルにつまっているのも良い少年漫画をしていると思います。
世界観が暗いからこそ、作品の随所で軽快な会話を入れているのもバランスが取れていて作品を見やすくしている。
エフェクトやレイアウト、小物周りへのこだわりなど・・・『鬼滅の刃』の新たな魅力を発見できる作品です。
見る上での注意としては、暗めな映像の多い作品ですので、部屋の照明を少し暗めにしたほうが良いかも知れません。
あとは音量を大きめにしてBGMに酔いしれましょう。
王道なバトル物が見たい方にはぜひ、おすすめしたい1作です。
その他、良かった点と気になった点
◎特徴的な敵キャラ達
少年漫画に欠かせないのは、印象に残る敵キャラでしょう。
この点についても、今作は心配いりません。
矢印によりベクトルを操るキャラや、手毬を武器にして戦うキャラなど、敵となる鬼たちの能力には面白みがありました。
■序盤のボス・矢琶羽。手のひらの矢印でベクトルを操る
また、作中で鬼の背景や心理描写されているのもポイントでしょう。
鬼たちは皆、もとは普通の人間。
それぞれの人生がありました。
その人生は、鬼たちの在り方に深く影を落としています。そんな影を、戦いの中で少しずつ映し出していく。
これにより、単なる勧善懲悪ではない、見ごたえのある物語になっていると感じました。
△セリフの説明感が強くテンポの悪いシーンがある
今作のセリフは時々長く、説明感が凄いです。
漫画とアニメというメディアの違いが時折現れてしまっています。
見ごたえるのあるカメラワークと、頻繁なカット割りにより上手く処理できているときもあるのですが・・・
具体例をあげます。
■12話より
このシーンは、上記のようなほぼ静止画と回想カットで構成されています。
そして、約40秒間ずっと炭治郎のモノローグで展開していく。
カット数は7カット。
静止画と回想という情報量の少ないカットかつ、モノローグではかなり中だるみします。
2クール目の序盤は、こういった中だるみシーンがいくつか見られたのは気になりました。
△男性キャラの描かれ方とノリが、時々キツイ
今作のキャラは基本的にとても好きです。
ただ、時々ノリがキツイ時がありました。
テンションの切り替わりが急すぎる。
そして、テンション高く喋りすぎという感じです。
特に、臆病な剣士である「我妻 善逸」というキャラはその傾向が顕著です。
臆病なのはわかったが、少し静かにしてくれと言いたくなるシーンがいくつかありました。
熱いところもあって良いキャラなんですけどね。
■少年剣士・我妻 善逸。時々うるさい
評価(5段階・要素別)
カテゴリ:バトル
総評価:★★★★★(87点)
シナリオ:★★★★☆
単なる勧善懲悪ではない点が高評価。
キャラの価値観とシナリオがマッチしていて迷走していない点も良い。
バトルの勝ち方がキャラの絆により生まれたものを上手く生かしている点も良い。
一方、各キャラの覚醒シーンはやや前フリが短め。
物語の構造的な美しさは少なめでシンプルなシナリオといった印象。
キャラクター:★★★★☆
記事の通り。
特に炭治郎は好感の持てる良いキャラ。
気になる点としては、男性キャラ同士の絡み方や男性キャラの描き方はわずかに、女性作家らしいノリを放っており男性読者を一歩遠ざける。
そして、禰豆子の出番が少ない回が多いのは不服。
演出:★★★★★
(音楽:★★★★★ 映像:★★★★★ アイデア:★★★★☆)
記事の通り。
中だるみシーンが生まれてしまったのは非常に惜しいところ。
ネタバレありで語りたい(ネタバレあり感想)
ここからは、徒然にネタバレありで感想を書き連ねます。
未視聴の方は、バックをお願いします。
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では。
今回は特に気に入った回について、いくつか書いていこうと思います。
第19話 感想「ヒノカミ」
まさに神回でした。
神回をふりかえりつつ、演出周りの工夫を自分なりに紹介していこうと思います。
では最初にシナリオ面から。
19話の前半では、善逸としのぶの会話シーンが描かれます。
ここで、さり気なく「死の淵に立つと状況を打破するきっかけを探すために走馬灯を見る」という伏線が提示されます。
後半ではそれを回収する。
炭治郎は累を相手に絶体絶命のピンチにおちいる。
その時、走馬灯が写る。
思い出されるのはかつて行った父との会話。そこから思いついた新技「ヒノカミ神楽」を放ち強力な敵・累を追い詰めます。
先ほどの伏線が効いたシナリオとなっています。
しかし、炭治郎だけで届いたのは相打ちまで。
最後の1手は、炭治郎を生かすために覚醒した禰豆子の血鬼術「爆血」。
まさに、炭治郎と禰豆子の絆が手繰り寄せた勝利でした。
シナリオも綺麗ですが、何よりそれを盛り上げた演出面が本当に素晴らしい。
手に汗握って何度も見てしまいました。
まず、走馬灯により描かれる炭治郎の幼少期時代が印象的です。
キャスト陣は、炭治郎は佐藤聡美さん。父親を三木眞一郎さんが演じています。
佐藤聡美さんの健気で素朴な演技と、三木眞一郎さんの儚くも強いといった声色が完璧にハマっていました。
走馬灯から帰り現在に戻ると、歌と声優さんの演技があわさり盛り上がっていきます。
過去と現在をつなぐ瞬間に響くピアノの1音。
炭治郎が発する火の呼吸音とシンクロするように音量が上がっていくBGM。
糸を切りながら累に走っていくシーンは特に歌とセリフの組み合わせが完璧です。
バックでかかる歌の歌詞が「前へ、前へ、進め。絶望を断ち。」
炭治郎のセリフは「走れ!禰豆子を守るんだ!」
歌詞と台詞のシンクロ。そしてお互いを邪魔しないような絶妙なタイミング。
花江さんの魂こもったシャウトもあわさって、もう胸が熱くなるしかないシーンでした。
その後、禰豆子の覚醒シーンに移るんですが、ここでBGMの楽器がフルート主体に移るのがまたニクい。
先程まで流れていたベース・ギター・ストリングスの男らしさから一転。
女性らしさが増します。
更に、禰豆子の「爆血!」
しゃべった!1話以来久しぶりに禰豆子がしゃべった。(とても大事)
トドメの熱いセリフもかっこいい。
「俺と禰豆子の絆は、誰にも、引き裂けない!!」
名演技による完璧な締めでした。
では、映像面での工夫をいくつか抜粋して紹介します。
▼構図の入れ替わり。水の呼吸の際は炭治郎を左、累を右に配置し累の優位性を示す。
火の呼吸になってからはそれを逆転させている
▼回想シーンの神楽。ロトスコープだと思いますが、父親の浮世離れした感じが際立ち、よく効いています
▼炭治郎と禰豆子のエフェクト。禰豆子のエフェクトは着物の色使いとあっており可愛らしい。
最後の斬撃では2つのエフェクトがあわさり、二人の勝利に花を添えます
■ピックアップシーン(累へ炭治郎が迫るシーン)
主な工夫は「いつ顔と目を映すか」という点にあったと思います。
①引きの構図が多めで、炭治郎の顔をあまり映さない。
②アップ気味の構図を多めにし、止めに向けて炭治郎の顔を映す回数を増やして方向性を示す。
③瞳のクローズアップで〆
▼累から炭治郎への焦点写し。細かい点も気が配られています
▼最期の斬撃シーン。シンプルな斬撃~ド派手なエフェクト~逆方向に巻く火花と余韻の美しいシーンでした
本当になにをとっても素晴らしい仕事で、まさに神回だと思います。
第3話 感想「錆兎と真菰」
もう一つ、好きな回を挙げるとすれば第三話です。
前半は、鱗滝さんとの修行。
後半は、錆兎と真菰との修行を行う回です。
目を引くのはやはり、後半の錆兎と炭治郎の一騎打ちでしょう。
錆兎の切ない表情から、岩が切れるまでの流れは伝奇的な雰囲気が作られていました。
この回は炭治郎のモノローグで展開されていくのも、伝奇感に拍車をかけていたと思います。
和風ファンタジーとはかくあるべきとも言うべき流れとなっており、この作品ならではだと感じました。
第25話 感想「継子・栗花落カナヲ」
戻らない日々への憧憬。
数少ない女性陣の過去が垣間見えた25話でした。
前半は、全集中の呼吸・常中のトレーニング。
炭治郎と善逸、伊之助の関係性が良かったです。
炭治郎に負けない。
その一心で気合が入る同期剣士たち。
当の炭治郎は自然体でトレーニングに邁進してるだけ。飾らずに善逸たちを応援する姿はやっぱり長男だなぁと思います。
なんだかんだで良いトリオです。
中盤は、胡蝶家の過去がカナヲの回想によって描かれました。
カナヲの目に生気が宿っていく過程に見応えがありました。
そして、もう一つ描かれたのが、今とは違うしのぶの姿です。
生前のカナエによせた今の話し方とは違う、本来のしのぶの明るく快活な話し方。
どことなく、現在のアオイに似ている気もします。
変わってしまった姿にカナエの死がどれだけ大きいものだったのかが垣間見えた気がしました。
早見さんの演技も流石です。
少ないセリフにしっかりと変化を感じました。
終盤。
呼吸の達成と禰豆子の久々のセリフ。
そして、次の話への伏線。
終盤、濃密すぎませんか・・・というか後1話しかないんですが!
2期あるよね・・・?というところで次回と、あるかわからない2期に期待です。
【映像関係の感想・印象的なシーン・小ネタなど】
▼真ん中の線が墨風なのが細かい。あと足袋の描き方にこだわりを感じる
▼あせっているカナヲ。クールキャラの動揺って良い
▼きちんと描かれた水入れが印象的なカット。見栄えが良くなってます
▼お姉さんキャラ×炭治郎・・・ありですね。がんばれ長男
▼握り方がやけに丁寧だったこのカット。ホステスとかも向いてそうな、しのぶさん
▼戻らない日々。切ない。この作品のCM前カットはいつも良い1枚絵です
■今週のピックアップシーン(Bパート:カナヲを連れ去るシーン)
コンテは王道なもの。
音楽の挿入タイミングと透き通る青空、キャラの表情による清々しさが印象的でした。
①しのぶの判断はいつも姉から始まる。そんな当時を思わせる最初のカット
②決め技の前は目を映す。王道です
③青空と呆然とした男、宙を舞う紙幣が清々しいカット。CGにより紙幣を多く散らせたのも効果的
④今では見せない勝ち気な表情が印象に残る
⑤ラストカットは生気の宿ったカナヲの目。心を閉ざした少女にはどう映ったのか
▼お風呂シーン。注目したいのは2枚目の水の描きこみ。ジブリ映画を思わせます
▼4バカ感。かわいいけど煽ってる感じが草
▼ワクワクしかない列車の描写。大正を感じる・・・2期あるよね?