2020年春アニメの1話を見た上で、評価・感想とあわせて各作品の見どころ等を紹介します。
なお、記事は次のように構成しています。
①作品の期待度(1話視聴後の印象で判断)
②作品概要・あらすじ
③見どころ・感想・評価
※ショートアニメ・女性向け・シリーズものは原則、対象外。
※随時更新。
令和2年春アニメ 期待度まとめ
※2020年4月11日更新
評価:★★★★★(必見・見ないと損)
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)
プリンセスコネクト!Re:Dive
評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)
アルテ
かくしごと
新サクラ大戦 the Animation
波よ聞いてくれ
LISTENERS リスナーズ
評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)
天晴爛漫!
神之塔 -Tower of God-
球詠
放課後ていぼう日誌
評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)
八男って、それはないでしょう!
社長、バトルの時間です!
評価:★★★★★(必見・見ないと損)
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
【作品紹介とあらすじ】
「小説家になろう」で連載されていた完結済みの作品。
文庫版は「一迅社文庫アイリス」から刊行中。
令嬢・カタリナは、ふとした拍子に前世の記憶を取り戻す。
ここは乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界。
自分はは、ゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢だった!
ゲームでカタリナに用意されている結末は、良くて国外追放…最悪、死亡…
そんな破滅フラグは回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!
勘違い?人たらしラブコメディの幕が上がる。
【視聴後の感想と評価】
1話は、テンポよく今作の舞台とルール説明が行われました。
演出が凝っていてテンポ感が良く、楽しく見れました!
退屈になりがちな舞台説明を、多様な演出でむしろ見どころにしてます。
特に良かったのはカタリナ脳内会議の下り!
CVの内田さんの幅広い演技が光る良いシーンでした。
そういった演出面は、「細かいところ」も「目立つところ」も光っていたと思います。
細かいところでは、ジオルドとキースの描写です。
ジオルドは腹黒いキャラということで、表情をあえて映さないカットが目立ちます。
そして、感情が素直に動いたときに顔を映す。
一方で、キースは王道です。
彼がカタリナに惹かれていく流れに共感できるよう、顔アップなど表情のわかる描写が多めで、視聴者の共感を自然に誘導しています。
目立つところでは、やはりラストの部屋突入シーン。
キースの閉じこもった心情を表す暗闇の部屋。
それをぶち破るのは、まさかの斧!
部屋へ男らしく入ってくるカタリナのかっこよさが凄い!
更に、そこからの可愛すぎるお姉ちゃんなセリフ!
一つ一つの描写が丁寧で、キースが惚れてしまうのも凄くわかります。
魅力的なシーンでした!
もう一つ特筆すべきは、主人公のカタリナを中心としたキャラの面白さです。
まず、カタリナ。
本人は計算して頑張ってるつもりなのに、その努力が明後日の方向に向かってしまう。
しかも、その進み方が予想を超えてくる。
軽快に木を登っていく令嬢というシュールな絵は笑いました!
根は素直で優しいのに悪役令嬢ポジに居るというギャップも素晴らしい。
友達にしたら楽しそうな、いやみのない天然ジゴロな感じが気に入りました!
乙女ゲーのキャラたちも、カタリナのせいで鉄板設定からズレていく様子が見れそうで期待です。
OPを見る限り、女子キャラもカタリナのジゴロ被害にあうようなので、そちらも気になるところです。
総じて、どの点をとってもレベルの高い注目作だと思います。
今後に期待です!
評価:★★★★☆(おすすめ・高評価)
プリンセスコネクト!Re:Dive
【作品紹介とあらすじ】
同名のスマートフォン向けゲームが原作。
記憶を失った少年・ユウキは目を覚ます。
彼を世話する小さなガイド役・コッコロ。
いつも腹ペコな美少女剣士・ペコリーヌ。
ちょっとクールなネコ耳魔法少女のキャル。
運命に導かれるまま、彼らが立ち上げたギルドの名は「美食殿」。
今、ユウキと彼女たちの冒険の幕が開けるーー
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公パーティー3人の出会いを描いたものでした。
キャラモノとして、平均点の高い優等生な出来だったと思います。
1話はコッコロの出番が多かったのですが、彼女の魅力がよく伝わる内容でした。
彼女の魅力…それは母性。
ロリキャラなのに、母性。
いわゆるバブミを感じるキャラです。
記憶を失った主人公のユウキを、優しく甘やかしながら導く描写はとても可愛く健気でした!
ユウキの記憶喪失設定との相性も抜群だったと思います。
▼おにぎりを握るカットのモーションが丁寧でした。端的に言えば、おにぎり食べたい
キャラ設定も上手いのですが、キャラの可愛さを引き出す映像もクオリティが高い!
逃げのコンテになっておらず、一つ一つのモーションが丁寧に描かれてました。
撮影処理が適切に施されているのも素晴らしい。
青空、夕焼け、夜。
ファンタジーらしい、色彩豊かな景色が織りなす空気感が心地よかったです。
『このすば』の監督さんだからということもあるのか、テンポも良かった。
ギャグが適度に入っており、軽快に話が進んでいました。
一方で、今後の懸念事項はシナリオとキャラの多さでしょう。
ソシャゲ原作ということもあり、シナリオとキャラ描写の塩梅がどうなるかが未知数です。
1話は、シナリオのテーマは見えてこなかったので、ふわふわした物語にならないことを祈ります。
評価:★★★☆☆(相性がいいなら見ておきたい)
アルテ
【作品紹介とあらすじ】
『月刊コミックゼノン』で連載中の漫画原作。
舞台は16世紀初頭のフィレンツェ。
”貴族の娘”として生まれたアルテは、幼い頃から絵を描くことに夢中で過ごしてきた。
女だてらに画家になるという夢を抱くアルテだが、時代の流れはそれを許してくれなかった。
否定されながらも夢を捨てきれないアルテは、人生最大の決断を迫られる……。
これは中世ヨーロッパを舞台に、時代へ抗い夢を追い続ける、1人の少女の物語。
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公のアルテが画家を目指して工房に弟子入りするまでが描かれました。
まず、設定の良さが素晴らしい。
中世のフィレンツェで画家を目指して頑張る少女。
非常にロマンがあって好きです!
アルテとレオのキャラ造形も好感を持ちました。
アルテは天真爛漫で金髪碧眼な美少女。
もう伝統芸能のような王道を征くキャラだと思います。
対するレオも王道です。
孤高で職人気質なダンディーな男。これはかっこいい。
二人がどのような会話をしてバディになっていくかに期待したい所。
対して気になったのは、「女性」であることへの描写の部分。
ジェンダー論というセンシティブな内容に踏み込んでいくのには、少し堀りが浅い印象です。
髪を斬るという動作が勢いのままに描かれている。
登場キャラの女性軽視な言動も紋切り型。
テーマというよりは、フレーバー要素になってるかなと思います(それならそれでいいのですが)。
そこから派生し気になるのは、中世ヨーロッパにおける「女性と貴族」の取り扱い。
自分も詳しいわけではないのですが、フィレンツェが舞台にしては日本的な思想に基づく描写のように感じました。
宗教と歴史に絡んだヨーロッパの身分制の描写としては、少し物足りない。
総じて、ライトな作品として見ていくと面白く見れそうだと思います。
アルテというキャラの魅力が、シナリオの中で出てくるかに注目です。
かくしごと
【作品紹介とあらすじ】
『月刊少年マガジン』連載の漫画原作。
原作者は久米田康治さん(『じょしらく』、『さよなら絶望先生』など)。
ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。一人娘は小学4年生の後藤姫。
可久士は、何においても愛娘が最優先。
親バカな可久士が娘に知られたくないこと。
それは……自分の仕事が『漫画家』であるということ!
自分の“かくしごと”が知られたら娘に嫌われるのでは!?
“愛と笑い、ちょっと感動”のファミリー劇場がはじまる――
【視聴後の感想と評価】
1話は、本作の作風がよくわかるものでした。
今作のウリは、漫画家あるあるネタでしょう。
読者特典のTシャツの絵柄指定を「着れるやつ」と呼ぶ。
こういうネタは、業界人ならではです!
漫画家の生きる世界が垣間見える点が、興味深い作品でした。
また、原作者が売れっ子だから出来るのであろう、実名を使ったリアルな「あるあるネタ」も切れ味が良い。
ヒロインの姫ちゃんが発した「WBSで言ってた」には笑いました。
そんなネタを喋るキャスト陣が手堅いのも、ポイントが高い!
主演が神谷浩史さん、高橋李依さん。
サブに佐倉綾音さん、緑川光さんなど…。
隙のないキャスト陣による、淀みのない会話が心地よかったです。
シナリオ面も引きが強い。
OPやアバンで示唆される今後の展開。
それが本作のハートフルな要素とどう結びつくのか。とても気になりました。
原作も完結が近いようなので、尻切れトンボで終わらないことを期待します。
ギャグの重ね方や、印象的なシーン作りの部分がちょっと惜しいと感じたため、星は3評価。
しかし、ポテンシャルの高い作品のように思います。
新サクラ大戦 the Animation
【作品紹介とあらすじ】
同名のPS4向けゲーム作品が原作。
本作は、ゲームのEDから1年後が舞台。
太正三十年(1941年)。
帝都・東京は、『帝国華撃団・花組』の活躍で平和な日々を取り戻していた 。
日々奮闘している花組の元に、一人の少女が託される。
少女の名はクラーラ。
大きな事故に遭い壊滅した莫斯科(モスクワ)華撃団の唯一の生存者だという。
やがて巻き起こる、クラーラを巡る事件と謎。
帝国華撃団・花組の新たな戦いの幕が開く!
※当サイトにゲーム版のレビューを掲載しています。
ネタバレなし紹介部分もありますので、興味のある方は御覧ください。
【視聴後の感想と評価】
1話は、謎の美少女クラーラが花組へ入隊するまで、そして、花組の顔見せ回でした。
ゲーム既プレイ組としては、面白い導入でした。
人気の高いキャラであるランスロット・エリス・神山の共闘は熱い!
断片的でしたが、ようやくちゃんとしたレヴューが見られたという喜びもありました。
一方、新規の視聴者には優しくないイントロだったとも思います。
花組を知らない人へ彼女たちがなんのかを知らせるには、ちょっと整理がされていない。
まずかったのは、2点です。
一つは、短い時間で主人公となるキャラの視点がブレている点。
サクラ・神山・クラーラとコロコロ視点が変わっています。
花組に初めて触れ合う人の目線。
そういう意味で、クラーラに視点を固定したほうが分かりやすかったのでは…。
もう一つは、ウリとなる描写の弱さ。
レヴューとバトルの二面性を描いているのですが、尺不足でどちらも弱い。
クラーラの過去は2話に回して、レヴューとバトルに専念する方が良かったかも知れません。
映像面では、ちょっとエフェクトとCGに振り回され過ぎな印象。
画面のメリハリや流れが物足りず、本当に見せたいカットがつかみにくい。
力は入っているものの、惜しいと思います。
総じて、不安の残る1話ではありました。
しかし、家族がテーマであることやクラーラが可愛いキャラデザであること。
それらに期待し、現段階では星2よりの3評価。
引き続き見ていきたいと思います。
波よ聞いてくれ
【作品紹介とあらすじ】
「月刊アフタヌーン」連載の漫画原作。
「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」
ひょんなことから才能を見いだされ、ラジオパーソナリティにスカウトされた一般人・ミナレ。
番組のタイトルは『波よ聞いてくれ』。
北海道の深夜3時半。
素人ながらに転生の喋りの才能を持ったミナレが、覚醒する!
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公ミナレの破天荒さを叩きつけてくる導入回でした。
お仕事モノなアニメで、舞台はラジオ局。
ラジオ収録の現場が丁寧に描かれていて、興味が惹かれます。
また、キャラ立ちが強いのもこの作品の魅力だと感じました。
主人公・ミナレのキャラがとても濃い!
失恋の後、勢いのまま、浴びるように酒を飲む。
それなのに、心の片隅では冷静に自分を分析する理性の強さ。
相反する描写が、リアルな20代女性を感じさせます。
作中では、そんな彼女の「自分を擦り下ろすような」マシンガントークが続く。
セリフ量が多いだけではありません。
その台詞回しには、あるあるネタや自分の近況が含まれていてラジオっぽい!
読み上げるキャストさんの演技も情感がこもっている。
総じて、心惹かれるキャラクターでした。
一方で、気になったのは前半の描写。
「熊の前でラジオを読み上げる自分へ、リアルで真剣な悩み相談を持ってこい」
という、舞台設定がちょっとわかりにくい。説明不足を感じます。
ミナレの語りも、キレが弱い。
熊と琴欧州がつながっておらず、コントとしての出来がイマイチです。
とりあえず派手に動かすアニメーションも、方向性が不一致でややノイズな感じ。
ミナレの凄さを導入に持ってくる意図はわかるのですが、意図通りにはいっていない印象を受けました。
今後、どのようにキャラがつながっていくのか。
ミナレがラジオパーソナリティとしてどのように成長していくのかに、注目です。
LISTENERS リスナーズ
【作品紹介とあらすじ】
オリジナルアニメ作品。
スクラップの街「リバチェスタ」で暮らす少年・エコヲ。
彼は、戦闘メカ【イクイップメント】を操り戦う能力者【プレイヤー】に憧れを抱きつつも、燻ったまま生きていた。
ある日彼は、腰に穴が空いた記憶喪失の少女・ミュウと出逢う。
彼女との出会いにより、エコヲの抱く憧れは、エコヲとミュウを導く”運命”へと変わっていく。
ミュウの出自とは。
プレイヤーとはなんなのか。
ーー2人の旅が今、始まる。
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公とヒロインの出会い、そして旅立ちが描かれました。
楽しい1話でした!
セリフ回しが上手で退屈しないのが凄いと思います。
演説・青春っぽい二人きりの会話・ハートフル・コント。
多様な場面を適切なセリフ回しで描けており、25分に変化を与えていました。
1話全体の脚本も納得感があります。
夢に憧れる主人公が、夢に踏み出すまでを描く1話。
きっかけはヒロインとの出会いであり、選択は主人公自身がする。
セリフ回しと相まって、王道の良さが上手く出ていました。
一方で、本当に惜しい部分がひとつ。
それは、作品独自の部分の見せ方です。
まず、本作はキャラデザと設定にクセがあります。
プレイヤーという腰にイヤホンジャックのついた少女が、ミミナシという怪物と戦う。
やってることはシンプルなロボットモノ。
そこを、設定の言葉遊びの部分でクセを強めている。
だからこそ、バトルの部分に独自性や、設定との結びつきがほしい。
それがないと、クセが”味”ではなくて、”痛々しさ”のほうに進んでしまう。
しかし、本作のバトル…
殴って、ビーム出すんです。
そうじゃないでしょうと!
そこは音楽を出していきましょうと言いたい!!
▼なんで普通にアッパーしてるんですか…、と思ったバトルシーン
ロボットモノの華であるバトル描写。
ここに「音楽らしさ」・「プレイヤーとリスナーらしさ」があれば、凄い作品と言えたように思えて惜しい。
プレイヤー同士の戦いで、ここに変化が生まれるかに期待し見ていきたい作品です。
評価:★★☆☆☆(様子見・化ける可能性は0じゃない)
天晴爛漫!
【作品紹介とあらすじ】
オリジナルアニメ作品。
19世紀末。
それは、文化や価値観…”当たり前”が崩れつつある時代。
天才エンジニアだが社交性0な商家の息子『空乃天晴』は、日本を飛び出しアメリカへ!
何故か付いてきてしまった凄腕で臆病な侍『一色小雨』と共に、天晴は「アメリカ大陸横断レース」で一攫千金を狙う!
スタートは西海岸ロサンゼルス。
ゴールはニューヨーク。
果たして二人は過酷なレースに優勝することができるのか!?
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公の天晴がアメリカへ旅立つまでが描かれました。
エンタメに重要な”視聴者視点”がちょっと足りない作品という印象でした。
まず、主人公のキャラデザとキャラの構成。
口元の赤い紅が、かなり気になり画面に集中しにくい。
キャラ構成もヒロイン不在と、そこで冒険しなくても…というもの。
そして、脚本面。
登場するキャラの成長代を見せたい、という意図はわかります。
例えば、小雨の現実的で地に足ついた価値観ですね。
ただ、その描写が面白くなくて足を引っ張っている。
1話のハイライトである、天晴の決意表明シーン。
ここで小雨にひたすらネガティブなセリフばかり喋らせるのはちょっと…。
アメリカへの旅立ちと到着もあっさりとした演出で平坦です。
作画は安定しているので、もったいないなぁという作品でした。
神之塔 -Tower of God-
【作品紹介とあらすじ】
「LINEマンガ」で連載中の漫画原作。
塔を登ると、全てが手に入る。
塔の頂上には、この世のすべてがある。
世界が手に入る。
…神になれる。
これは、星を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜。
二人と塔を巡る、始まりと終わりの物語。
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公が塔に登り試験を受けるまでが描かれました。
結論としては、「エンタメになっていない」という印象です。
神之塔という存在の謎、主人公の願い。
これらに興味を惹かせるギミックがほとんどなく、謎掛けに終止している。
話に入っていくのを拒絶されているような気がしました。
脚本面も気になります。
主人公が成果を得るまでの選択も、因果応報も描かれていない。
理由もなく上手くいく描写に、面白くない方のなろう系の雰囲気を感じました。
良いところといえば、味のある線と色彩による独特な映像。
あとは手堅い声優陣の良い演技でしょうか。
芸術として見せるには出力不足で、ちょっと興味を惹かれない1話でした。
球詠
【作品紹介とあらすじ】
『まんがタイムきららフォワード』連載中の漫画原作。
春。
1年生の詠深は、入学先の高校で幼なじみの珠姫に再会する。
「もし、ーーできたら。おとなになっても、いっしょに野球しよっか!」
幼い頃に交わした、大事な約束。
再びめぐり逢った二人は、約束を果たし、そしてーー。
野球に青春をかける少女たちの挑戦が今、始まる!
【視聴後の感想と評価】
1話は、挫折を味わった主人公の詠深が、野球の楽しさを思い出すまでが描かれました。
全体通して、良くも悪くも「ベタ」な内容でした。
キャラクターは嫌味がなく、シナリオ展開も過不足がない。
ただ、ベタ過ぎて逆に平坦な印象も受けました。
ここから、野球をテーマにどんな色付がされていくかがポイントだと思います。
▼ベタといいつつ、こいつのヒールっぷりは素晴らしかったとも思います
一方、演出面はとても光るところがありました。
ひとつは、野球の動き。
クレジットにモーションアクターとして、野球チームの名前が!
そのため、キャッチボールなど、野球の動きは存在感のあるものとなっています。
もうひとつは、BGMです。
作中の回想シーンでかかったBGMは、熱さと品の良さを兼ね備えたクオリティの高いものでした。
野球という青春を大いに盛り上げてくれそうな気配があります。
ただし、全体的な映像のレベルは物足りない出来。
野球以外は省エネが目立ち、絵に立体感が乏しい。
思い出されるのは『ハチナイ』の悲劇。
その再来とならないことを祈りつつ、注目していきたい作品です。
放課後ていぼう日誌
【作品紹介とあらすじ】
『月間ヤングチャンピオン烈』で連載中の漫画原作。
都会から田舎に引っ越してきた鶴木陽渚は、生き物が苦手なインドア派。
手芸部に入って楽しく、インドアな高校生活を過ごそう。
…そう思っていたのに!
押しの強い先輩と出会ったせいで、「ていぼう部」なんてよくわからない部に入部させられてるし。
いつの間にか釣り竿を握らされてるし…。
わたしの高校生活はどうなっちゃうの!?
個性的な部員たちに囲まれ始まる、陽渚の高校+釣り生活!
【視聴後の感想と評価】
1話は、陽渚が釣りの楽しさを知る様子が描かれました。
釣りがテーマということもあり、釣りの用具や動作が丁寧に紹介されていたと思います。
最後に釣った魚を素揚げで食べる仕草も描かれており、釣りの良さは感じました。
その一方で、名作日常モノになるかどうかという点では物足りない部分も。
まず、空気感。
キャラ同士の会話にギャグが見られず、ネガいセリフが目立つ。
会話の楽しさから生まれる尊い空気感が乏しい。
あとは、題材から何を描くかという点。
大体は題材を通して、キャラ同士の尊さを描くのですが、そこもあまり見られない。
キャラデザもクセが強く、今の主流からは外れ気味のように思います。
釣り紹介アニメとしては優秀です。ただ、キャラモノとしてはちょっと未知数な作品でした。
評価:★☆☆☆☆(残念ながら1話切り)
八男って、それはないでしょう!
【作品紹介とあらすじ】
「小説家になろう」で連載された完結済み作品。
書籍版は「MFブックス」で刊行中。
サラリーマン ・一宮信吾が目を覚ますと、異世界の小さな子どもになっていた。
彼の新しい人生は、ド田舎の貧乏貴族の八男・ヴェンデリン(5歳)。
領地も継げず、手詰まりの境遇の中、魔法の才能に恵まれたという一点を突破口に独立を目指す。
やがて彼は貴族として身を立てることとなる。
だがそれは、貴族社会のしがらみに振り回される人生の始まりに過ぎなかった――
【視聴後の感想と評価】
異世界への転生と、魔術師との出会いが描かれた1話でした。
EDは良かったと思います。
透明感のある曲調は、夜想曲な雰囲気を漂わせていました。
他は…見ていて力の抜ける作風でした。
キャラクターは全体的に没個性。
特に主人公のリアクションが全体的につまらない。
シナリオも波風のないものでした。
あとは、全編通してシュールな所が多かったように思います。
OPの閣下+アリプロの謎コラボ。
異世界の書物が全てカタカナと漢字。
シュールさがこの作品の個性なのかも知れません。
ただし、面白いかは別です。
ところで、前クールでは同じなろう系の『防振り』を星1評価にしてしまったのですが、あれは反省です。
1話は微妙だったのですが、2話以降、キャラの可愛さや世界観の描写がとても魅力的になりました。
全編通すと、星3くらいの良作でした。
一方、今作は冒頭の将来の描写を観る限り、そういった化け方はしないような気がします。
キャラの個性という点で、お湯に近い薄さとなっている。
これだと、キャラの魅力に関してはあまり期待ができません。
見ていて、かなり厳しい1作でした。
社長、バトルの時間です!
【作品紹介とあらすじ】
同名のスマートフォン向けゲームが原作。
主人公・ミナトはある日突然、幼馴染のユトリアに呼び出される。
ユトリアに告げられたのはーー
「わたし、あなたのこと…社長に向いていると思ってたの!」
先代社長の跡を継ぎ、ミナトの冒険社長ライフが始まったのだった。
【視聴後の感想と評価】
1話は、主人公が社長になるまでが描かれました。
ギャグというのは難しい。
改めてそう思わせる1話でした。
ギャグは上手く使えていればキャラへの愛着を育て、テンポの良さを生みます。
では、それが下手だとどうなるのか。
答えが、この作品です。
終始、ギャグがつまらない!
フリのない中で繰り出される、唐突なボケや別に上手くないツッコミ。
「昔からミナトのこと…社長に向いてると思ってたの」「えぇ!?」
いやいや、ベタすぎてギャグになってないですよ…。
しかも、無駄にギャグの手数が多い!
真面目なシーンでも空気の読めないギャグが続き、かなりヤバいです。
主人公が全体的にヘタレ気味なのも目に付きます。
全編通して、褒める所がほとんどない。
「隙のないB級アニメ」と言える作品のように思いました。
結び
2020春クール。
非常に過酷な時期となってしまいましたが、こうしてアニメを見れて嬉しいです。
さて、今クールは売れ筋をそのまま辿ると言うよりは、変化球な作品が多いように思います。
少しずつ、新しい時代の潮流を作る作品の出現を待っているという感じです。
変化の方向性としては、より幅広い人への受けを狙っている雰囲気でしょうか。
『アルテ』・『カクシゴト』・『天晴爛漫』からはそんな印象を受けます。
やはり、深夜から配信へと放送形態が変わることで、これまでのガラパゴスが薄れつつあるのかもしれません。
こういった変化で、幅広さが形成されていくのは望ましいことだと思います。
一方で、深夜アニメとしてのウリを大事にした作品も継続していってほしいと思います。
安定した基盤がありファンは離れないようにしつつも、更に幅広にアニメファンの獲得を狙っていく。
そういう変化であってほしいところです。
さて、今回で当サイトにおけるクール初めの1話レビューも7回目となりました。
こうしてレビューを書くからこそ、しっかりと作品を見れるので楽しいです。
やはり、どの作品も1話は力が入っていて、作品の色が強いので面白い!
それと、レビューを書いているのにはもう1つ目的があります。
毎クール、力の入った良作なのに話題にならず、埋もれてしまう作品があるのが非常に寂しい。
レビューを通して、僅かでもそういった作品を減らせれば良いなと思い、レビューを書いている側面もあります。
星3位までに気になる作品がある方や趣向が似ている方は、作品を広める際にこのレビューも使っていただければ幸いです。
以上、長文をご覧いただきありがとうございました!